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まめ知識 2019.05.23

季節の草花『バラのコト』愛され、研究され続けてきた花

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バラは、「花に詳しくないという人でも知っている花」の代表といえるかもしれません。
重なり合った花びらの優美なシルエットは、見るだけで華やかな気分を誘うのでお祝い事やイベントにも多く使われていますね。

「原種」だけで数百?北半球の広い範囲に咲く花

分類上で「バラ」という名前はバラ科バラ属の植物の総称です。バラという名前でイメージするのは、花びらが多く重なった八重咲きの物ではないかと思いますが、本来のバラの姿は5枚の花びらに多数の雄蘂を持つ、シンプルな構造になっています。

ヨーロッパ、アジア、アメリカ大陸にもそれぞれ自生していたバラの原種に当たる物があり、その総数は150~200種類程度あるのだとか。それだけバラエティ豊かな数があるにも関わらず、なぜか南半球にはバラの原種は存在しないそうです。不思議ですね。

もしバラ園やバラの栽培をされているお庭などで一重咲きの小さなかわいい花の物があれば、それは原種の系列のバラです。元は野山に咲いていたそれらが長い歴史の中で交配によって華やかな姿に変化して、お花屋さんで見かけるような現代のバラの姿になったのですね。

現代のバラを作り出した功労者は歴史上の偉人の妻

バラの品種改良の基本は人工授粉による物です。品種改良を試みるにはまず、多くの種類のバラが必要となってきます。現代に至るまでのバラの品種改良に多大な貢献をした人物がいるのですが、なんとそれはナポレオンの妻、ジョゼフィーヌです。

彼女はバラを好み、夫のナポレオンが戦争をしている間、敵国の人間とですらバラの情報を交換したり原種の蒐集を行っていたりしたというほどの筋金入りの薔薇愛好家だったのだとか。
彼女が暮らしたマルメゾン城の庭には世界各地から集められたバラが育てられており、お抱えの植物画家ルドゥーテに細密なバラの図録を描かせていました。

品種の数は250ほどあったといいますからちょっとした研究施設のような規模であったと言えます。実際にルドゥーテが書き留めたバラの絵は当時栽培されていたバラがどんな物であったか知る上でとても貴重な情報であり、植物学の資料としても評価されています。

ジョゼフィーヌは珍しいバラを集めるのに飽き足らず、彼女に仕えた園芸家アンドレ・デュポンによって人工授粉の方法が確立されるまでに至りました。この技術があってこそ、現代では多様な品種のバラが作り出されています。そのためジョゼフィーヌは「現代バラの母」とも呼ばれているそうですよ。

「幻」だったバラもやがて現実に「夢かなう」青いバラ

一重咲きだったバラの原種は人工交配によって変化し、現在では一般的な八重咲きの一本咲きの姿を持つ物も現れました。花束やアレンジメントでよく使われるこのタイプの物をバラの系統では「ハイブリッド・ティー」と呼びます。実はこのハイブリッド・ティーが作られた当時、このタイプで黄色い花色の物は存在しなかったそうです。

バラは原種があった地域毎に「芳香性が強い物」「四季咲きする物」「つる性を持つ物」というように特色がありますが、ハイブリッド・ティーに黄色をもたらしたのは中近東に咲くバラだったそうです。現代の黄色いバラの元とされているのは「ゲハイムラート・ドイスゲルヒ(ゴールデン・ラピチュア)」というバラで作出されたのは1933年と、意外にも歴史としてはまだ浅いのです。

そして、黄色いバラ以上に幻とされた物に青いバラがあります。バラの原種は青い色素を持たないため、青色のバラの作出は不可能とされて来ました。従来「青いバラ」と呼ばれた品種は赤いバラから赤い色素を抜いて紫に近づけた物でした。

ところが日本のアマチュア園芸家であった小林森治が作出した品種「青龍」他、「青に近い」とされたバラのいくつかから「ロザシアニン」と呼ばれるバラ独自の青い色素が発見されます。(これはサントリーの研究による物です)

青いバラは花粉が少ないため、人工授粉による品種改良は困難とされていますが、青いバラを作り出すという夢が現実になる可能性が見えて来たのです。
かつて青いバラの花言葉は「不可能」とされていました。今では青いバラの花言葉は「夢かなう」という物に変わっています。現在の青いバラはまだ紫に近い色合いですが、遠くない将来に青空のような青いバラが生まれる日が来るのかもしれませんね。

記事/ケノコト編集部

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