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知るコト 2019.07.11

『茶の湯の世界へようこそ』ー6.Matcha、Chanoyu、KIMONO?ー

Matcha、またはMachaという単語がそのまま海外でも使われるように、抹茶の味は日本人以外にも広く好まれるようです。例えばスターバックスやハーゲンダッツ、キットカットというような世界的に有名な商品にも抹茶味が使われています。
健康志向の層にも好まれるのはその成分も理由のようです。抹茶にはテアニンというリラックス効果の高い成分がコーヒーよりも多く含まれています。そのおかげでカフェインの作用も穏やかになるのだとか。また、抗酸化作用に効くポリフェノールも含まれているので生活習慣病の予防も期待できます。

欧米には抹茶に特化したカフェがあったり、高級スーパーにも様々な抹茶関連の商品が並んでいます。抹茶そのものであるgreen tea powderはまさに粉末状なのでミルクなどの飲料に溶かしたり製菓の材料として使いやすいという点もあります。

このように抹茶自体はすでに世界中で愛用されていますが、茶道はどうでしょう?
もちろんすでに諸外国でたくさんの茶道家の方が活躍されています。また、茶道家に限らず現代日本人建築家が見事な茶室を海外の展覧会などで披露しています。

そんな中で最近、個人的に非常に興味深いアプローチとして、6月下旬まで東京でアメリカ人現代アーティストであるトム・サックスのTea Ceremonyという展示がありました。
残念ながら遠方のため見に行くことはできなかったのですが、いろいろな媒体やSNSで取り上げられているのを拝見し、とても自由な方法で茶道が表現されており、今までの自分の中での概念に一つ全く新しいものが加わったように思えます。

NASAのロゴが描かれた茶碗やMAKITAと連結して電動で動く茶筅など、単体で見たら度肝を抜かれるものばかりでしたが、全体として茶道を自ら習っている彼の深い造詣を感じる内容でした。実際に見に行けなかったことがとても悔やまれます。
YouTubeでも”Tom Sachs Tea Ceremony”と検索すると、美しい映像が何本か公開されているのでぜひご覧になってみてください。

 

少し話しが逸れますが、最近アメリカのセレブリティが“KIMONO”と命名した補正下着のブランドがSNS上などで大きな批判を受けたようです。あまりにもアウトプットがかけ離れているのでこの騒動自体は、ちょっと笑ってしまうくらいで、特になんとも思わないというのが正直なところですが、反対運動から京都市が抗議文を送るまでの騒動となり、“KIMONO”というブランド名は撤回となったようです。

もちろん先述のトム・サックスのTea Ceremonyとこの事例を比べることはナンセンスですが、扱う対象がデリケートなものであるほど、そのものに対する深いリスペクトと理解が大前提なのだなとあらためて気づかされます。私のアメリカ人の友人が最初に来日した理由は“ニンジャになりたかったから”ですが、それはそれで誰もその純粋さを責めることはできないとも思います。実際に忍者はいますしね。

そして、それぞれを日本人である自分自身がきちんと理解してリスペクトしているのか?という疑問もわいてきます。
一つの文化を違う文化の方に言葉で説明するのは至難の業ですが、少なくとも今自分が改めて向き合うことができている茶道とそれにまつわる着物や日本文化、その背景については純粋な好奇心が最近あらためて湧いてくるのを感じます。これからも引き続きこつこつと様々な角度から勉強をしていきたいなと思う今日この頃です。

コラム/すずきりさ
約20年に渡り東京から世界を飛び回る生活をて、結婚・出産を機に地元新潟にUターン。
自然の中での子育てと家族の時間をのんびり満喫する中で、改めて新潟の魅力に気づく日々。茶道の勉強も再開しながらライフワークバランスを模索中。
茶道表千家講師。

 

 

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