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まめ知識 2019.07.18

季節の草花『百日紅(サルスベリ)のコト』暑い夏を彩る花木

漢字で書くと「百日紅」、読み方が「サルスベリ」。どんな木か知らない人や漢字での表記を知らない人だと戸惑ってしまいそうですね。
でも、漢字の当て字も読み仮名のどちらも、この花木の様子をそのまま表した物なのですよ。

 

原産は中国南部。丈夫で長く楽しめる、貴重な夏の花木

百日紅は公共施設や街路樹にも多く植えられているので名前を知らなくても見れば「知っている」という事も多い花木です。日本では身近すぎて「特別な鑑賞の対象」というより「見慣れた景色に溶け込んでいる花木」という印象が強いかもしれませんね。

百日紅の原産地は中国南部。日本に入って来た時代がいつごろかはっきりとはしませんが、1604年に京都の醍醐寺に植えられたとする文献があったり、1700年代の「大和本草」という本に登場したりしているため、江戸時代初期より前には日本に入ってきていたと考えられていました。
後に、京都の平等院にある、鳳凰堂前の「阿字池」の底の地層を調査した折り、940年ごろの地層から百日紅の花粉が発見されたという調査結果が出て、平安初期には日本でも百日紅が鑑賞されていたのではないかと言われています。

暑い時期に華やかな色で目を楽しませてくれる物として平安時代の貴族達に珍重されていたのかもしれませんね。
暖かい地方の植物ですが、-5度程度までの耐寒性があるそうですよ。

 

百日紅以外にもたくさんあるサルスベリの名前

サルスベリという名前は、特徴的な樹皮の様子から名付けられています。サルスベリ幹が育つ時に樹皮の古いコルク層がはがれ落ちるため、つるつるした樹皮の状態となるので「猿がつかまっても滑ってしまう」という事で、日本では「サルスベリ」という名前で呼ばれるようになったのだとか。

そして実はこのサルスベリという呼び名は別の植物にも使われています。「ナツツバキ」や「リョウブ」という昔から日本に存在する木の樹皮もサルスベリと同じようにつるつるした樹皮をしています。サルスベリという呼び名は、元はこれらに対して使われていたそうで、今でも地域によっては百日紅ではなく「ナツツバキ」や「リョウブ」に対して「サルスベリ」という名前を使う事もあるそうですよ。

「百日紅」という名前は中国での呼び名で、「ひゃくにちこう」という漢字に合わせた呼び方が使われる事もあります。猿滑(サルスベリ)というに合わせた表記の他、「怕痒樹(ハクヨウジュ)」という名前もあります。怕痒樹という名前は辞書によっては「曲った枝をこすると、葉や花が笑うような動きをみせる事からついた」とされている事があり、九州では「擽木(くすぐりのき)」と呼ばれる事もあるそうです。

これにまつわると思われるエピソードで、百日紅の名を「こちょこちょの木」として、幹をくすぐると上の枝が揺れる仕組みについて知りたい、という質問が日本植物生理学会の公式サイトに寄せられていますが、残念ながら実際にはそういうメカニズムはないのだそうです。言葉のイメージから生まれた俗信のようですが、なんともユーモラスで可愛いお話ですね。

沖縄ではアンバーギィ(油を塗ったようにすべすべしている)ファゴーギー(くすぐったい)という土地の言葉での名前を持っているそうで、やはり樹皮の様子から共通のイメージがかきたてられている様子もわかります。

 

土壌を選ばないのでシンボルツリーとしてもおすすめ

百日紅はあまり土壌を選ばないので、日照を確保できる位置であれば比較的簡単に育ちます。花もきれいなのでお庭のシンボルツリーとしてもよく使われる木です。剪定さえすればコンパクトな樹形にまとまるので、スペースがあまり取れない所にも植えやすいのもうれしい所。基本は地植えですが、矮性の品種もあり、そちらは鉢植えでの栽培は可能です。

中国では長安の紫微(宮廷)に多く植えられた事から紫微(しび)と呼ばれている事もあるそうです。紅の名前がありますが白い花の物あり、涼しげな雰囲気も楽しめる木です。

お庭に手入れが簡単で綺麗な花の木が欲しいと思ったら、サルスベリも候補に入れてみてはいかがでしょうか?

 
記事/ケノコト編集部

 

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