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まめ知識 2019.07.21

日本の言葉『草いきれ』夏草の生命力を感じる瞬間

暑くなると元気になる物の一つが雑草。それぞれに名前がある物ですから、本当はひとまとめに呼んではいけないのかもしれませんが、ともかく緑が生い茂ってお庭や家庭菜園が大変な事になってしまう事もしばしば。
この時期にがんばって草取りをしたり、何かの都合で草原に近寄ったりするとむっとする熱気がこもっているのを感じる事ができます。これが「草いきれ」です。

 

草「いきれ」ってなんだろう?

「いきれ」とは「熱れ」と書きます。見るだけでますます暑くなりそうですが、「蒸されるような熱気やにおい」という意味なのだとか。炎天下では草の表面が気温の5度ほど高くなってしまうので、草が温度を下げようとして「蒸散」という働きを行います。いわばこれは草がかく汗のような物。当然、周囲は湿度が高くなります。気温より熱くなった葉と湿気の近くに行けば当然むっとした感じがしますね。

「いきれ」という言葉は草だけでなく「人いきれ」というように人混みで息苦しい時にも使います。おそらく、元は人いきれの方が先に出来た言葉かもしれませんね。
というのも「いきれ」は「熱れ」となる前は「息切れ」で、江戸時代頃に言葉の変化が起きて「いきぎれ」→「いきれ」と縮まって当てる漢字が変化したのだそうです。「息切れがするほど熱い」様子を指す意味もあるのだそうですよ。

「息」が元になった言葉の仲間では「いきりたつ」があります。かっかして激しく怒っている様子の時に使いますが「熱り立つ」とも書くそうです。同じように関西地方でよく使われる「いきる」という言葉は調子に乗っている様子の表現として使われる事が多いのですが、「意気る」とも書き、本来は元気の良い様子を言ったそうですよ。

「いき」の音が付くこれらの言葉に共通するのは勢いがあったり激しい様子であったり、元気が良く生命力が活発に感じられる状態を示すと言っていいかもしれませんね。

 

「草いきれ」を感じさせやすい「夏草」は?

現代でこそ道は整備され、家屋の周辺の庭や空き地の多くも整地されている事が多いのですが、少し前の時代であれば人が住んでいる場所から少し離れると草が生い茂って手つかずになっている場所が多くありました。

「草いきれ」は夏の暑い時期、草が生い茂る環境の中を歩かなければならなかった旅人にとっては耐えがたい辛さを生み出す物だったのかも。「草いきれ」と関連がある夏の季語に「夏草」がありますが、すぐに生い茂る夏の草の中でも特に「青芒(あおすすき/穂が出ていない青々とした時期のススキ)」や「茅(ちがや)」と言った草丈の高い草を指して使われる事があります。庭などにもよく生えるので草取りをした事があればすぐにわかりますが、これらのイネ科の雑草は根が深く、茎も堅いので少し育ってしまうと容易に抜く事ができません。

また、葉が薄く鋭利で、手を切ってしまう事も。それらが生い茂る場所を通れば熱気は高く、踏んだり折ったりしよう物なら強い青いにおいもします。そんな、生活する上で体感しがちな環境を表す言葉が必要とされて「草いきれ」という言葉が生まれたのかもしれません。

でも、最近では昔と比べると「草いきれ」の状態を味わう環境や機会は少なくなっているかもしれません。
草いきれを感じやすい、

・気温より5度程度高い事もある
・湿度が高い

これらは熱中症を起こしやすい環境です。もしこの季節、生い茂った草が生えた場所の手入れが必要となった場合は

・暑い時間に作業しないようにする
・こまめに汗を拭き取ったり着替えたりする

など、熱中症への対策に注意して気分が悪いと感じたらすぐに風通しがよく涼しい場所に移動するなど注意して下さいね。

 
記事/ケノコト編集部

 

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