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まめ知識 2019.08.12

季節の草花『朝顔のコト』 江戸っ子が大好きだった花

小学校の栽培実習でおなじみの花なので「育てた事がある」という記憶がある方も多いのではないでしょうか。発芽率もよく、水やりが適切だとスクスク育って失敗しにくいビギナー向けの鉢植え植物といえるかもしれません。

青い朝顔

奈良・平安時代頃には日本に来ていた朝顔。実は薬として使われていた。

日本人と朝顔の付き合いは古く、諸説ありますが奈良時代または平安時代ごろにはすでに日本に入ってきたとされています。

直接入ってきたのは中国からで、初めは花を楽しむためというより種を薬として使っていたそうです。生薬としては「牽牛子」(けにごし、けんごし)と呼ばれ、下剤や利尿の効果があるとされています。現在栽培されている朝顔にもこの効能があるそうですが、毒性も強いため種を取って乾かす時などは誤飲しないように管理にお気をつけて下さい。

朝顔の種

ちなみに「今昔物語」の中に、税の取り立てに来た相手にすっぱいにごり酒でもてなすと見せかけてお酒に朝顔の種を入れてわざとお腹を下させて撃退するお話があります。古代の人にとって朝顔は薬という認識だったのがわかるお話です。

江戸時代は空前の朝顔ブーム。幻となった朝顔も作出されていた

朝顔が観賞用の植物として人気を博したのは江戸時代です。大輪の朝顔や変わった花や葉の形をした物が多く作り出されたそうです。ただ、意図的な掛け合わせが行われたのではなく、朝顔の栽培が流行って多くの鉢植えなどが並ぶ中で突然変異を起こした物や、自然交配で別の株の花粉が交雑した事で生まれたと考えられているようです。

古くから日本にあった朝顔は青一色だったのだとか。変化が固定するとピンクの朝顔から取れた種からはピンクの花が咲くという風になりますが、変わり咲きの朝顔によっては突然変異であるために種が取れなかったり、取れても翌年は同じ花や葉が咲かなかったりする物も多くありました。そういう物は「出物(でもの)」と呼ばれ、変化が現れなかった親木を栽培しつづけて再び変化が現れる物を探すという風になっています。

色違いの朝顔

そういった朝顔が戦前までは多く伝えられ、愛好家も多かったそうです。朝顔はもともと青だった事から同系統の色素の紫やピンクは今では普通に手に入りますが、色素の系統が違う黄色い物は今では一般に見かける事はありません。

江戸時代の朝顔ブームの時には存在していたそうなのですが、系統が途絶えてしまい長く「幻の朝顔」とよばれていました。2014年にサントリー、基礎生物学研究所、鹿児島大学の合同チームによってキンギョソウの持つ黄色い色素の遺伝子を組み込んだ黄色い朝顔の開花に成功しています。かつては自然交配頼りだった朝顔の品種改良も、現在ではこのような遺伝子組み換えなど高度な技術での作出も行われているそうです。

ちょっと系統が違う西洋朝顔はのんびり屋さん

一般的な朝顔は「夏の花」のイメージではないかと思います。実際に主な開花時期は7~8月が中心の品種が主流です。これに対して「西洋朝顔」と呼ばれる仲間は開花時期が始まるのが8月頃と少し遅めで11月頃まで咲き始め、夏というより秋の花です。「ヘブンリー・ブルー」という品種が有名なのでホームセンターなどで苗を見かけた方もいらっしゃるかもしれませんね。

西洋朝顔は日本の朝顔と親戚ですが、普通の朝顔と違い、本来は多年草です。(熱帯アメリカが原産のため日本の冬が越せないので一年草として扱われる事が多いようです)
花の開花時間も長く、お昼頃まで咲いています。地植えにすると株が大きく育ち、長く楽しめますので可能であれば鉢植えより地植えがおすすめです。

猛暑が続き、鉢植えの朝顔の元気がない場合、株に対して土が足りなくなっている事があります。そういう時はふた周りくらい大きな鉢か発泡スチロールなどに土を入れ、その中に朝顔の鉢のお尻が少し埋るようにして二重鉢にしてあげると鉢底から根が伸びて水持ちが良くなり、生き返る事があります。上手に手当すると9月になっても花が付き続ける事がありますので朝顔が夏バテ気味だと思ったら手当してあげて見て下さいね。

地植えの朝顔

記事/ケノコト編集部

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