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まめ知識 2019.10.11

澄み切った秋の夜空に。日本古来のお月見の日、「十三夜」のこと

9月の十五夜には、美しい満月を観賞できましたか?ちょうど雲に隠れて見逃してしまった…。そんな方は、十五夜以外にもお月見を楽しむ日があるのをご存じでしょうか?

十三夜と十五夜はどう違う?

十五夜(中秋の名月)から約1カ月後の旧暦9月13日の夜を「十三夜」といいます。2019年の十三夜は10月11日(金)です。中国から十五夜の行事が伝わる以前から、日本には十三夜の風習がありました。十三夜の時期は収穫のさなかであることから、秋の収穫祭の一つだったのではないでしょうか。民間に広く普及していた行事のようですが、現在の日本ではあまり知られていませんね。

平安時代の919年に宇多天皇が、十五夜の宴だけではなく、旧暦9月13日にも観月の宴を催したことから十三夜にお月見を行うようになったと言われています。

十三夜の月はどんな月?

今ではマイナーな行事になってしまった十三夜。十五夜にはお月見をしても、十三夜の月は見ない人が多いと思います。しかし、十五夜と十三夜を併せて「二夜(ふたよ)の月」と呼び、片方だけを見ることは「片月見(かたつきみ)」として忌み嫌われました。

十三夜は新月から13日目、満月の8割ほどの丸さの月を愛でる行事です。ほんのり欠ける十三夜の月に趣を感じるところが日本人らしいですね。
台風や秋雨前線の影響を受けやすい十五夜のころと比べると、「十三夜に曇りなし」と言われるように、空気が澄み、晴れる日が多いため、とてもきれいな月を見ることができます。

十三夜は別名、「豆名月」「くり名月」ともいいます。お供え物にする枝豆やくりが、ちょうど食べ頃になることから名づけられました。また、十五夜に対して「後(のち)の月」とも呼ばれます。

日本版ハロウィン!?お月見どろぼう

十三夜も十五夜と同じようにお供えをします。ススキ、13個の「お月見団子」、大豆や栗、ぶどうなど秋の農作物をそろえます。

また、昔は十五夜や十三夜の夜だけは、他人の畑の作物を盗ってもよいというならわしがありました。「お月さまが持って行った」のだから縁起が良く、盗まれた畑は豊作になると言われたそうです。
この風習が、やがて日本各地の農村で行われた「お月見どろぼう」へと変化したそうです。「月からの使者」と考えられていた子どもたちは、お月見の日だけは、お供え物を盗むことを許されました。子どもたちにお団子を盗られると縁起が良く、その年は豊作になる。盗んだお団子を食べた子どもは金持ちになる。7軒の家からお団子を盗むと縁起が良い――などなど、お月見どろぼうの言い伝えはいろいろあります。

現在でもお月見どろぼうの風習が残る農村部があり、特に愛知県日進市や名古屋市、三重県四日市市辺りが有名です。「お月見どろぼうです!」などと、子どもたちが声をかけながら近所の家を回り、お団子やお菓子をもらう風習が残っています。収穫の時期に子どもたちがお菓子を集める様子は、ハロウィンの習慣に似ていますね。

お月見行事のほか、十五夜の月を待つ夜を意味する「待宵(まつよい)」、16日目の月「十六夜(いざよい)」など、日本には月に関係する美しい言葉がたくさんあります。街灯がなく、月あかりを頼りに夜道を歩いていた時代には、今よりも月が身近に感じられたのかもしれませんね。今年は十三夜にも月を眺めてみてはいかがでしょうか。

記事/杉本雅美

日々の生活の中で、無理のない程度に四季の変化を感じ、ひと手間かけることを心がけて夫とふたりで暮らしています。フリーのライターとしてインタビューやイベントレポート、暮らしに関することなど、多様な情報をお届けしています。

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