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知るコト 2019.12.14

年の瀬の風物詩「年の市」「羽子板市」のこと

毎年12月17日から19日まで、東京は浅草の浅草寺で、縁起物の羽子板市が立ちます。
「浅草羽子板市」は、江戸時代に「年の市」が行われていたことに由来します。

今でも年末になると、スーパーやデパートなどで年の市というセールが催されていることがありますね。

「年の市」とは?

昔は神社仏閣の境内や門前で「市(いち)」が定期的に開かれていましたが、年の暮れに行われる市には、お正月の準備のために大勢の人が訪れたので、いつもの市と区別して「年の市」や「納めの市」などと呼ぶようになりました。中でも最も盛況だったのが浅草観音の年の市でした。

年の市では、門松やしめ縄飾り、鏡餅などの正月飾りや縁起物、鏡餅、乾物などの食品も売られていました。
古くなった日用品は、お清めの意味からお正月に新しいものにする習慣があったので、お箸や歯ブラシ、まな板、包丁などもあったそうです。

明治時代以降、通常の商店でお正月用品を買うようになり、年の市は徐々に廃れていきます。江戸の各地で開かれていた年の市は数が減り、年の市発祥の地、浅草では羽子板市に重点が置かれるようになったのです。

浅草羽子板市

年の市でお正月用品の一つとして売られていた羽根つき用の羽子板。人気の歌舞伎役者の似顔絵が貼り付けられるようになると、江戸の女性たちは、ひいきの役者の羽子板を競って買い求めたのだそうです。写真や動画などがない時代に、今の人気アイドルのグッズやDVDを買い求めるような感覚だったのかもしれませんね。
もともと羽根突きには「邪気払い」の意味があり、女の子の出産には羽子板を贈る習慣がありました。おい羽根が害虫を食べるトンボに似ているので「悪いムシがつかない」と縁起を担いだそうです。華やかな羽子板が人目を引くようになり、年の市には欠かせない存在になっていきました。

現在の「浅草羽子板市」は「納めの観音ご縁日」を含め、毎年、12月17日、18日、19日の3日間、浅草寺境内で開催されます。当日は数10軒の羽子板の露店のほか、甘酒やカルメ焼き、おでんなど食べ物の出店が境内にずらっと並び、見物客でにぎわいます。

羽子板は500円程度のものから数万円もする高価なものまであり、歌舞伎の絵柄やその年に活躍した有名人が描かれたもの、カラフルな美しい羽根が華やかに彩ります。羽子板の購入者に贈る三本締めの声と拍手が響き渡る、大変活気のあるお祭りです。

有名な寺社で行われている年の市(歳の市)

浅草の他、日本全国の有名な神社やお寺、またはその付近の商店街で年の市が行われていますので、一部を紹介します。

♦東京日本橋・薬研堀不動尊「納めの市および出庫市」:12月26日~28日

♦鎌倉・長谷寺「年の市」:12月18日

♦関西では、伊勢神宮内宮前にある「おかげ横丁年の市」:12月14日~28日

お正月に必要なものや縁起物を買いに出かけ、活気があふれる年の瀬の風物詩を体感してみてくださいね。

記事/杉本雅美

日々の生活の中で、無理のない程度に四季の変化を感じ、ひと手間かけることを心がけて夫とふたりで暮らしています。フリーのライターとしてインタビューやイベントレポート、暮らしに関することなど、多様な情報をお届けしています。

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