知るコト知るコト
得するコト 2020.01.17

心穏やかに新年の決意をつづる「書き初め」のこと

「書き初め」は、年のはじめに1年の抱負や目標を書くお正月の行事です。小学生の冬休みの宿題の定番でもある書き初め。最終日に「慌てて書いたなあ」と思い出している人がいるかもしれませんね。そんな書き初めの意味や由来、風習などをご紹介します。

仕事始めの1月2日、子どもたちは書き初めを行う

現在の役所や多くの会社は、1月3日までが正月休み。4日または5日から仕事を始めますね。しかし、昔の正月の儀礼は大みそかから元旦まで。2日は通常「事始め」や「仕事始め」の日でした。

江戸時代は各地の領主によって休みが厳しく決められていて、正月やお盆、祭礼の日だけしか仕事を休めませんでした。せめて正月くらいはゆっくりしようと、正月三が日の慣習ができたといわれています。

通常の生活に戻る前に、2日にその年の労働の安全や、技能の上達を願うならわしを行いました。農家では「くわ始め」、山村では「初山入り」、漁村では「舟祝い」などの行事が行われ、商店では初荷の初売りをしました。

子どもたちは「勉強始め」ということで「書き初め」を行いました。昔は「読み書きそろばん」といわれたように、書道は教育の基本でした。書き初めには、字や絵の上達を願う意味があります。

書き初めの起源

書き初めは、平安時代の宮中行事「吉書始め(きっしょはじめ)」が起源とされています。元日の朝に初めてくんだ水を「若水」と呼び、吉書始めは若水で墨をすり、新年の恵方に向かって詩歌を書く行事でした。この行事は今でも宮中で行われ、別名「ふではじめ」などとも呼ばれています。

もともと書道は高貴な身分の人々が行うものでした。江戸時代には寺子屋ができ、明治時代になると義務教育が始まって、庶民の間にも読み書きや書道が広がりました。教育とともに書き初めも広く普及していったのです。

書き初めはどんど焼きの火にくべる

書き初めは、宮中行事にならい1月2日に行うのが風習です。その書き初めを小正月(こしょうがつ)の1月15日に行う「どんど焼き」に持って行くならわしもあります。どんど焼きは、お正月に飾ったしめなわや門松、1年間神棚に祭ったお札などを焼く火祭りの行事です。書き初めをどんど焼きの火の中に入れ、火の勢いで紙が高く舞い上がるほど、字が上手になるといわれています。

1月2日に書き初めを行わなかった方も、小正月までに書いてみませんか?
書き初めには「字の上達を祈願する」他にも「1年の抱負や目標を定める」意味があります。健康を願って「無病息災」、初詣で祈願したことがかなうように「心願成就」など、何を書くかは四字熟語から選ぶのがおすすめです。

パソコンやスマートフォンの普及により、文字を書くことが少なくなりました。お正月には筆を持って心を落ち着かせ、新たな年の決意を書いてみるのもいいかもしれませんね。

記事/杉本雅美

日々の生活の中で、無理のない程度に四季の変化を感じ、ひと手間かけることを心がけて夫とふたりで暮らしています。フリーのライターとしてインタビューやイベントレポート、暮らしに関することなど、多様な情報をお届けしています。

その他のおすすめ記事

年の瀬の風物詩「年の市」「羽子板市」のこと

年の瀬の風物詩「年の市」「羽子板市」のこと

大忙しの師走のころ。年末に大掃除をするのはなぜ?

大忙しの師走のころ。年末に大掃除をするのはなぜ?

紅葉シーズン到来!紅葉を眺める時に「狩り」という言葉を使うのはなぜ?

紅葉シーズン到来!紅葉を眺める時に「狩り」という言葉を使うのはなぜ?

戦前は「新嘗祭」が行われる祭日だった。11月23日「勤労感謝の日」のこと

戦前は「新嘗祭」が行われる祭日だった。11月23日「勤労感謝の日」のこと

平安時代から受け継がれてきた、子どもの健やかな成長を願う儀式「七五三」のこと

平安時代から受け継がれてきた、子どもの健やかな成長を願う儀式「七五三」のこと

コメント

人気の記事

2020.10.29

秋の味覚といえば…!サクサク!『さつまいものかき揚げ』

2020.10.25

あまじょっぱいてりやきに黄身がとろ~り『お月見ばーぐ』

2020.10.23

保存食のある暮らし~りんごの皮と芯も無駄なく活用!!エコでおしゃれな保存食『林檎のジェリー』

2020.10.21

お弁当にもおやつにも!ひんやり甘酸っぱい『サツマイモの檸檬煮』

2020.10.20

簡単!美味しい!『素麺で作るフォー』

2020.10.19

置いとくことでより美味しくなる常備菜『ナスとホタテの南蛮漬け』

2020.10.19

ごぼうが持つパワーとは?!『知って得するごぼうの成分と保存方法』

2020.10.19

やっぱり栗は旬の時期に!栗をたっぷり使った『栗バター』

2020.10.17

覚えておきたいおやつレシピ『バナナキャラメルマフィン』

2020.10.17

うつ病も食事で改善できる 『栄養士おすすめの食材&レシピと食事のポイント』

編集部おすすめ記事

2020.10.29

秋の味覚といえば…!サクサク!『さつまいものかき揚げ』

2020.10.29

二夜の月と片見月とは?秋の実りに感謝する行事「お月見」のこと

2020.10.28

冷凍野菜を活用!簡単『かぼちゃのプリン』

2020.10.27

糀のコト『甘酒スムージーから始まる1日』

2020.10.26

パリッ!とトロける『かぼちゃのクレームブリュレ』

2020.10.24

手軽で簡単!美味しく健康になれちゃう『煎り玄米』とアレンジレシピ

2020.10.23

ゆでっぱなしで美味しさバツグン『ゆで栗』

2020.10.22

おうちで手づくり『基本のシュウマイ』

2020.10.22

【秋の味覚シリーズ】おすすめ!「かぼちゃ」を使ったレシピまとめ

2020.10.21

白、赤、あやめ色…『彩り豊かなかぶでワインパーティーを盛り上げよう』

月間人気記事

2020.06.17

こんな症状は危険かも『スマホのウイルス感染症状7つをチェック』

2018.07.12

知らなかった!こんなにも多い『ウリ科の野菜の種類とあれこれ』

2017.09.14

指先のカサカサを直したい!『指先の乾燥の原因とケア方法』

2018.03.26

元美容部員が教える『自分の肌に合う化粧水の選び方』

2018.08.08

なす、トマト、ピーマン、ししとう…あの野菜も?!『ナス科の野菜の種類とあれこれ』

2017.03.15

管理栄養士が教える『デトックスウォーターの美容効果と注意点』

2020.04.18

気がつくとカサカサに『ひざの乾燥の原因とお手入れ方法』

2020.06.17

脇の下を押すと痛くない?『脇コリの解消は 肩こり解消にもつながる』

2017.09.27

栄養士直伝!「食」から喘息を改善しよう『おすすめの食材&レシピ』

2020.06.13

話題の万能調味料『レモン塩麹』をつくってみよう