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得するコト 2020.03.18

旬のよもぎをたっぷり使った春の和菓子「草餅」のこと

爽やかなよもぎの香りが豊かな「草餅」は、あんことの組み合わせが美味しいですね。草餅は今でこそ一年中食べることができる和菓子ですが、もともとは春の和菓子とされていて、俳句の世界では春の季語になっています。そんな草餅と、その材料になるよもぎについて紹介します。

草餅の歴史をひもといてみると…

草餅は、すりつぶしたよもぎの若葉を混ぜたお餅。日本では平安時代から食べられているようです。ひな祭りに飾る、ひし餅の中の緑色の部分が草餅です。ひし餅に使われている草餅は切り餅型。また、つきたての柔らかいものに小豆あんや黄粉をまぶしたり、あんを包んで草大福にしたり。このように草餅は二通りの食べ方で親しまれてきました。

毎年3月3日は桃の節句。女の子の健やかな成長を祝うひな祭りですね。桃の節句は、古代中国では「上みの節句」とよばれ、母と子どもが元気でいられますようにとの願いから母子草(ハハコグサ)を練りこんだ草餅を作る習慣があったそうです。母子草は、春の七草のひとつ、ゴギョウのことです。とても香りが良く、邪気などを払ってくれると考えられていました。

やがて、平安時代の日本に桃の節句が伝わると、母と子の健康を願って食べる草餅なのに、母子草をたたいてお餅に練りこむ作り方は、縁起が悪いのではないかと嫌われてしまいます。そこで、日本では、母子草と同様に香りが良く「魔除け草」として当時の人々に親しまれていたよもぎが草餅の材料になりました。

生命力のあるよもぎに「子孫繁栄」の願いを重ねる

春に旬を迎えるよもぎは、3月から5月初旬にかけて柔らかな新芽が出てきて良い香りを放ちます。独特な野の香りと鮮やかで緑が濃いところから食用に多く使われます。

一方で、キク科の多年草であるよもぎは繁殖力が大変強い植物です。根っこが丈夫で除草剤もかなわないほど。引き抜くのが困難で、根っこが地下へ地下へと伸びてしまうのだとか。根っこを取り去らない限り、葉っぱもどんどん成長し続けます。

そんなよもぎの強さに「子孫繁栄」の思いを重ね、桃の節句によもぎの草餅を食べるようになったのではないかともいわれています。

よもぎは女性に優しい「ハーブの女王」

よもぎは「ハーブの女王」と呼ばれるほど野草の中でも栄養価が高く、体に良いといわれる有効成分を多く含んでいます。昔からおきゅうのもぐさの原料になるなど、民間で利用される身近な薬草です。特に女性の悩みに効果がある薬草としても知られるよもぎ。その効能を一部紹介しましょう。

冷え性・体質改善

血液をサラサラにして血液の循環をよくするので、血行が良くなります。

便秘の解消

ミネラルや食物繊維が豊富に含まれるよもぎ。血管の悪玉コレステロールや活性酸素の除去し、腸の動きを活発にしてくれます。これらの相乗効果で便秘解消につながります。

ダイエット・むくみ改善

利尿作用があり、体にたまった毒素を排出するのでデトックス効果につながります。また余分な水分が排出されるので、むくみが改善されます。

美容・アンチエイジング

毛細血管を丈夫にすることで血行が良くなります。新陳代謝がアップするので美肌を保ち、肌の色が明るくなります。

よもぎは草餅の材料になることから、モチグサという別名も持っています。春になると一気に芽吹き、食用としての旬を迎えるよもぎ。昔の人は、よもぎのパワーを美味しく体に取り入れることで、冬の寒さで弱った体調を回復させていたのかもしれませんね。

記事/杉本雅美

日々の生活の中で、無理のない程度に四季の変化を感じ、ひと手間かけることを心がけて夫とふたりで暮らしています。フリーのライターとしてインタビューやイベントレポート、暮らしに関することなど、多様な情報をお届けしています。

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