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得するコト 2020.07.07

『茶の湯の世界へようこそ』ー20. 竹と茶道

青竹の季節

青々とした竹が瑞々しい季節ですが、竹になる前の筍はゴールデンウィークの頃に私の住む地域では旬を迎えます。私の実家のお隣に竹林があり、今年も採れたてをいただきました。どんな素材でもそうですが、鮮度が良いとなんともみずみずしく、アク抜きも不要でそのまま筍ご飯にしていただきました。季節を味わうというのはとてもシンプルながら最高の贅沢ですね。

そんな筍はあっという間に成長し、今年赤ちゃんだった竹も2ヶ月足らずで立派な青竹に。
竹は茶道において多く用いられる素材です。茶杓や茶筅、柄杓は必ずと言っていいほど竹でできています。蓋置き、花入、棚などにも多く使われ、茶室においては建築素材としても用いられています。

竹の茶道具

茶杓のルーツは元々は薬匙で、象牙などで作られていたそうです。それが、わびさびを重んじる千利休によって竹で作られたものが主流となったとのこと。
数多くある茶道具の中でも、茶人自ら創作する数少ない道具の一つとして知られています。
利休以降、作られた茶杓には銘がつけられることが多くなりました。茶事を催す際には亭主の心境を表すテーマが設定され、それを元に道具が選ばれるわけですが、この銘がテーマに沿っているか、重要なポイントとなります。ない場合は自分で作って銘をつける。その場合に仏語などを参考にすることも多く、茶道に文学の要素が入るきっかけともなったと言われています。
また、作った人が誰かによってその道具の価値が決まって来ます。
いやらしい話ですが、利休作の茶杓が以前なんでも鑑定団で2500万円という値段がついたのを始め、歴代の家元が作った茶杓には数百万円という値段がつけられることがあります。ほんの20cmたらずの竹が、作り手によってものすごい作品へと昇華するわけですね。
花入も利休が竹を花入として用いたのが最初と言われており、作り手によっては最上級の格付けの花入となります。


桃山時代(16世紀) 長さ(茶杓)17.5㎝ (共筒)20.1㎝ (替筒)22.0㎝ 静嘉堂文庫美術館蔵 静嘉堂文庫美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
出典:日本文化の入り口マガジン「和樂」

季節の言葉

普段のお稽古ではもちろんそのように貴重なものは使えませんが、濃茶でも薄茶でも茶入れと茶杓はセットで“拝見”に出します。お点前の最後に道具を清め、お客様に見てもらう作法です。この場合にも問答にて茶器・茶入れの名前、そして茶杓の銘が聞かれます。
季節に合った銘を亭主は考え、お客様にお伝えします。例えば初夏の時期であれば、薫風、せせらぎ、時鳥、夏木立、などが例として挙げられますが、決まった教科書のようなものはありません。
最近のこの時期、家で過ごす時間が多い方もいらっしゃるかと思いますが、本の中にこういったテーマを探してみたり、散歩中に季節の言葉を探して考えて見るのも、今を楽しむ材料になるかもしれませんね。

コラム/すずきりさ
約20年に渡り東京から世界を飛び回る生活をて、結婚・出産を機に地元新潟にUターン。
自然の中での子育てと家族の時間をのんびり満喫する中で、改めて新潟の魅力に気づく日々。茶道の勉強も再開しながらライフワークバランスを模索中。
茶道表千家講師。

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