知るコト知るコト
まめ知識 2020.06.08

長雨の季節のイメージが変わる?美しい梅雨言葉

ジメジメとうっとうしい梅雨の季節。空が暗くて、なんとなく気分も晴れません。苦手な時期だと思っている方も多いことでしょう。1年を通じて雨が多く降る日本には、梅雨や雨を表現する言葉が多くあります。「今日はどんな雨かな?」と関心を持って窓の外を眺めると、梅雨の印象が変わるかもしれませんよ。

梅雨という言葉の語源

梅雨は、春と夏の中間にみられる雨期のことで、日本の他に中国や韓国など東アジア地域で見られる気象現象です。

梅雨は“つゆ”とも読みますし、“ばいう”ともいいます。もともと中国で梅の実が熟す季節に降る雨を梅雨(ばいう)と呼んでいたのが、平安時代に日本に伝わりました。カビが生えやすい季節の雨だから黴雨(ばいう)と書いていたのが、語感が良くないため「梅」の字を当てるようになったという説もあります。

“つゆ”と呼ぶようになったのは江戸時代の頃から。これにはいろいろな説があります。
・「露(つゆ)けき時節」からの連想
・梅の実が熟す頃という意味の「つはる」や「熟ゆ(つゆ)」に由来
・ジメジメして物が腐りやすいところから「潰ゆ(つゆ)」に由来
・カビによって物を傷つける「費ゆ(つひゆ)」に由来

情緒がある?梅雨言葉あれこれ

梅雨の期間は大雨による災害が起こりやすく、また、夏に必要な水を蓄える重要な時期です。洗濯物が乾かない、外出が面倒になる――身近な生活にも影響があることから、普段以上に天気予報が気になりますね。このように社会的に関心が高まる梅雨期には、時期や天候の移り変わりを表す「梅雨言葉」があります。

時期の移り変わりを表す梅雨言葉

梅雨の前触れ、始まりから終わりまで5つの梅雨の言葉を紹介します。

1.走り梅雨(はしりづゆ)
5月ごろ、梅雨の前触れのように数日の間天気がぐずつくことを言います。他にも「迎え梅雨」「梅雨の走り」などとも呼ばれます。

2.入梅(にゅうばい)
梅雨に入ることで、「梅雨入り(つゆいり)」ともいいます。梅雨に入る時期は、地域や年によって違います。また暦の上での入梅は、立春から数えて135日目。毎年6月11日前後になります。気象予報が発達していなかった江戸時代、入梅は田植えの日を決める目安になる重要な日でした。梅雨の季節に栗の花が咲くところから、「栗花落(ついり)」とも呼ばれます。

3.送り梅雨(おくりづゆ)
梅雨が明けるころの雨をいいます。「暴れ梅雨(あばれづゆ)」といわれるような、強い雨がたくさん降ることが多く、雷を伴うことも。大雨や集中豪雨がおこりやすいです。

4.出梅(しゅつばい)
梅雨が終わる日のことで、「梅雨明け(つゆあけ)」を指しています。出梅も入梅と同じく地域や年によって異なります。また真夏のような天気にならずに立秋を迎え、「梅雨明けなし」となる年もあります。

5.戻り梅雨(もどりづゆ)
梅雨が明けたにも関わらず、再び雨が続く状態をいう言葉です。「返り梅雨(かえりづゆ)」「残り梅雨(のこりづゆ)」という呼び方もあります。
 

梅雨の様子を表す言葉

雲り続きで雨が降らなかったり、雨が続いたかと思うと突然晴れたり…。梅雨前線の活動の仕方や位置によって天候は変化します。梅雨時期ならではの天気を表す言葉を紹介します。

6.陽性梅雨(ようせいばいう)
スコールのように、降るときは短期間に激しく、降らないときはからっと晴れる梅雨のこと。「男梅雨(おとこづゆ)」ともいいます。西日本に見られる傾向にあるといわれます。

7.陰性梅雨(いんせいばいう)
東日本は、弱い雨がしとしと降り続く陰性梅雨。「女梅雨(おんなづゆ)」とも呼ばれます。

8.空梅雨(からつゆ)
雨量の少ない梅雨のことをいいます。「ひでり梅雨」、「照り梅雨(てりつゆ)」、「枯れ梅雨(かれつゆ)」も同じ意味です。

9.梅雨寒(つゆざむ)
梅雨に訪れる季節はずれの寒さのこと。「梅雨冷(つゆびえ)」と呼ばれることもあります。

10.梅雨の晴れ間(つゆのはれま)
梅雨の期間の晴れの日のことで、「梅雨の中休み(つゆのなかやすみ)」ともいわれます。

雨が多い日本には、梅雨言葉以外にも雨の名称や雨にまつわる言葉が豊富にあります。私たちの祖先がきめ細かく観察し、想像力を膨らませていた様子が伺えますね。

記事/杉本雅美

日々の生活の中で、無理のない程度に四季の変化を感じ、ひと手間かけることを心がけて夫とふたりで暮らしています。フリーのライターとしてインタビューやイベントレポート、暮らしに関することなど、多様な情報をお届けしています。

その他のおすすめ記事

昔と今では意味が違う、「五月晴れ」ってどんな晴れ?

昔と今では意味が違う、「五月晴れ」ってどんな晴れ?

端午の節句の行事食。かしわ餅とちまきのこと。

端午の節句の行事食。かしわ餅とちまきのこと。

4月29日は何の日?名前の変遷の経緯を調べてみた

4月29日は何の日?名前の変遷の経緯を調べてみた

日本人に長い間受け継がれている桜を愛する心

日本人に長い間受け継がれている桜を愛する心

世界に誇る丈夫な通学カバン「ランドセル」のこと

世界に誇る丈夫な通学カバン「ランドセル」のこと

おいしいパンに出会えるかも?!4月12日はパンの日

おいしいパンに出会えるかも?!4月12日はパンの日

コメント

人気の記事

2020.07.10

栄養たっぷりの夏野菜『ゴーヤの魅力と苦みを消す方法』

2020.07.10

切ったあとは小さな子どもにおまかせできる『ピーマンの明太子和え』

2020.07.09

さっぱり身体に染み渡る『桃とシナモンの甘酒スムージー』

2020.07.09

「今ここ」の意識を100パーセント集中する『マインドフルネスのススメ』

2020.07.08

朝の定番に食物繊維をプラスする 『大人の納豆ごはん』

2020.07.08

栄養満点 手軽さ満点。今だから作り伝えたい懐かしの『牛乳かん』

2020.07.08

素材で選ぼう『作り置きにぴったりな保存容器の種類』

2020.07.08

口当たりの良いだしを楽しむ 『かぶの簡単お吸い物』

2020.07.07

骨強化&夏バテ予防!『おかひじきと人参の新生姜そぼろ炒め』

2020.07.06

夏のお昼はこれでキマリ!『具沢山ぶっかけそうめん』

編集部おすすめ記事

2020.07.12

子どもに大人気!『茎ブロッコリーの肉巻き』

2020.07.10

心を無にして新たないっぽを『写経で静かに自分と向き合う』

2020.07.09

ちょっとの牛乳が味をまーるくしてくれる『たらもサラダ』

2020.07.09

「今ここ」の意識を100パーセント集中する『マインドフルネスのススメ』

2020.07.04

栄養たっぷり!旬のおかひじきを使った『おかひじきと豆腐のチャンプルー』

2020.07.03

家飲み・おつまみに最適!まるでレバーのような味わいの『黒豆と納豆のペースト』

2020.07.03

毎朝すっきりの秘訣とは? 1杯のお水で美腸ケア

2020.07.01

梅雨時期が一番美味しい!旬のイワシを召し上がれ『入梅鰯のクルクル揚げ』

2020.06.30

ごはんに合うおばんざい『ふっくら肉団子の甘酢あん』

2020.06.28

健胃、ダイエットにも!『キャベツとグレープフルーツのビューティージュース』

月間人気記事

2020.06.17

こんな症状は危険かも『スマホのウイルス感染症状7つをチェック』

2018.07.12

知らなかった!こんなにも多い『ウリ科の野菜の種類とあれこれ』

2017.03.15

管理栄養士が教える『デトックスウォーターの美容効果と注意点』

2018.08.08

なす、トマト、ピーマン、ししとう…あの野菜も?!『ナス科の野菜の種類とあれこれ』

2020.06.16

スマホの動作が重い・熱いときは?『原因と改善方法でサクサクに』(iPhone/Android)その2

2020.06.04

季節の手仕事『自家製キウイシロップ観察日記』

2018.03.26

元美容部員が教える『自分の肌に合う化粧水の選び方』

2020.06.17

脇の下を押すと痛くない?『脇コリの解消は 肩こり解消にもつながる』

2020.06.13

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「オクラ」の常備菜』

2020.06.15

編集部おすすめ『週に1度の作り置きレシピ「玉ねぎ」の常備菜』