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まめ知識 2020.07.16

夏の暑さを快適にする和風ファッション。気軽に楽しみたい浴衣と甚平のこと

祭りや花火大会など、夏のイベントには浴衣を着て出かける人も多いと思います。素足にげたで歩くのも気持ちがいいですね。外国人観光客の間でも、レンタルしたり、お土産に購入したり、浴衣は気軽に日本文化を体験できるアイテムとして人気があるようです。そんな夏の和装、「浴衣」について紹介します。

湯上りに着る部屋着だった浴衣

浴衣の語源は、平安時代の入浴時に着用した「湯かたびら」です。平安時代の貴族の入浴は、湯船につかるのではなく、現在のサウナのように蒸気を浴びる蒸し風呂スタイルだったそうです。
・複数の人と入浴するため裸を隠す
・やけどを防ぎ、汗を吸い取る
湯かたびらは、このような目的で着ていた麻の着衣だったのです。

安土桃山時代には、素材は麻から綿に代わり「身拭(みぬぐい)」と呼び名が変わりました。汗を吸いとり風通しが良いことから、湯上がりに着たり、就寝時の寝間着にしたり、広く用いられるようになりました。

現在のような簡単な外出着として着用し、「浴衣」として庶民に広まったのは江戸時代後期に町民文化が発展したことや銭湯が普及したことに由来します。
初めのうち浴衣は、銭湯で湯上りの汗が落ち着くまで一時的に着るバスローブのような役割をしていましたが、やがて浴衣のまま銭湯の外に出るようになり、用途が変わりました。盆踊りや花見などにそろいの柄の浴衣で出かけることがはやり、このブームがお祭りなどに浴衣を着て出かける現代の文化へとつながっています。

倹約が奨励され、町人が絹の着用を禁じられると、木綿の浴衣を着る人が増えました。「本藍染め」の技法が生まれ、多くの人が優雅で美しい柄の浴衣を楽しむようになったことも浴衣人気の一因となりました。

甚平が外出着になったのは平成に入ってから

子どもや男性が着ている「甚平」は、浴衣に比べると、サッと着ることができて身動きも楽ですね。甚平は、江戸時代末期に庶民の衣服として開発され、広く一般に普及したのは大正時代に入ってからでした。
甚平という名称の由来は諸説あり、
1.甚平という名前の人が発案した衣服である
2.戦国時代の武将が身につけていた陣羽織に似ている
などの説があります。

甚平ももともとは浴衣のようにワンピース型で、現在のようにセパレート型になったのは
昭和40年代以降のこと。浴衣も甚平ももとは部屋着ですが、どちらかと言えば浴衣の方が格上になります。また、甚平で外出する人が増えたのは平成に入ってから。意外と歴史が浅いのですね。

夏を快適に過ごせる知恵がつまった浴衣

入浴時の着衣、湯上り着、外出着と用途を変えて、浴衣が夏用の和服になったのはなぜでしょうか。それは、浴衣が暑い日本の夏を快適に過ごすための知恵と工夫のたまものだからです。

浴衣の生地は、吸水性が高く、風通しが良い木綿や麻が使われています。汗をかいても蒸れず、通気性が保たれてさっぱりとした着心地を楽しむことができます。

今では色鮮やかなブランド浴衣を好む人が増えていますが、昔から親しまれている「古典柄」と呼ばれる浴衣のほとんどは紺地と白地。これには理由があります。
白地の浴衣は夏の昼間用として作られました。見た目に涼やかで、熱を吸収しづらいことから家の中では真夏でも涼しく過ごせます。外出時には強い日差しから肌を守ってくれます。紺地の浴衣は夕方から夜用に作られました。染料として使われている「藍」の香りを虫が嫌うことから、虫の多く飛ぶ夕方には、紺地の浴衣を着用するのが良いとされています。

現在の浴衣は夏の外出着。特に若者には、夏祭りや花火大会など「特別な日のオシャレ着」としてイメージが定着しているのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの影響で今年の夏は祭りや花火大会が中止になり、浴衣や甚平を着る機会も少なくなっていますが、夏のファッションとして気軽に着てみてくださいね。

記事/杉本雅美

日々の生活の中で、無理のない程度に四季の変化を感じ、ひと手間かけることを心がけて夫とふたりで暮らしています。フリーのライターとしてインタビューやイベントレポート、暮らしに関することなど、多様な情報をお届けしています。

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