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得するコト 2020.08.13

夏祭りの主役「おみこし」にはどんな意味があるの?

夏の夜空に祭ばやしが聞こえ、いろいろな出店が並ぶ夏祭り。日本のお祭りといえば「おみこし」です。「わっしょい!わっしょい!」と、威勢のいい掛け声とともに、夏の暑さを吹き飛ばしてくれそうですね。そんなおみこしやかけ声についても紹介します。

お神輿は神様の乗り物

日本では一年を通してたくさんのお祭りが行われ、季節によって違った目的があります。夏は病気の流行や農作物の害虫被害、風や水の事故などの災害が多い時期です。「疫病退散」や「厄除け」、またお盆に関連し鎮魂や祖先をまつる行事が各地で行われています。

お祭りの主役「おみこし」は、神様の乗り物のことです。「こし」とは、人を乗せて何人かで持ち上げて運ぶ乗り物のことで、神様が乗るから「みこし」。丁寧に「御」という字をつけて「おみこし」と呼ぶことが多いようです。

おみこしは神様がいらっしゃる場所なので、神社をかたどったものが多く見られます。鳥居があり、屋根の上には伝統的な装飾が置かれています。

おみこしを担ぐのは、お祭りの時には神様が神社から出て、災厄やけがれを取り除いて清めたり、地域の氏子の豊作祈願や願いを聞き入れたりするために行われると言われています。
はんてんと呼ばれる衣装を身にまとった担ぎ手たちが、おみこしを肩に担ぎながら神社近隣の地域を回ります。

肩に担ぐのは神様を敬う気持ちの表れであると言われ、休憩するときにもおみこしは地面に下ろさず台の上に置かれています。神様のおでましは、非常にありがたいもの。見物客も神様に敬意を払うことを忘れないようにしたいですね。

お神輿と山車は何が違うの?

さらに、お祭りの時には「山車(だし)」や「太鼓台(たいこだい)」が町内を回ります。祭礼の際に引いたり担いだりする出し物で、車輪がついて、大勢の人がひいて移動させます。

山車は自然の山岳を真似て作られたところから、この名前がつきました。昔から神様は山岳や山頂の岩や木に降臨すると考えられていて、お祭りの間、神様に滞在していただくために作られたと言われています。滞在中の神様に「もっと喜んでいただこう」と、華やかな装飾がほどこされ、太鼓の奏者や踊りの演者が乗れるようになり、移動のための車輪がついて、今の形になりました。

おみこしと山車は、簡単に言うと次のような違いがあります。
・おみこしは、神様が乗るもの。担ぎ棒がついていて人が担ぐ。
・山車は、お祭りの間の神様の宿。おもてなしをする人が台車に乗っていて、人が引き綱を引っ張る。

それぞれの意味や役割がわかると、お祭りが一層楽しめるのではないでしょうか。

「わっしょい」は団結を象徴するかけ声

おみこしに欠かせないのは「わっしょい!わっしょい!」という威勢のいい掛け声ですね。「わっしょい」の語源は、日本がかつて「和」の国と呼ばれていた名残から
・「和を背負う」が「わ(を)しょい」に変化した
・「和一処」「和一緒意」が由来
いずれも、日本(和の国)の団結を象徴しているかけ声であると言われています。

他にも「エッサ!エッサ!」や「ソイヤ!ソイヤ!」などの声をかける地域もありますね。
・「エッサ」は古代ヘブライ語で「運ぶ」の意味がある
・「ソイヤ」はアイヌ語で「揺する」という意味がある
などの説があります。

激しく揺さぶるおみこし。かけ声は威勢がよくても静かに運ばれているおみこし――など、おみこしの担ぎ方は地域によって特色があります。実際にお祭りに参加してルーツを調べてみると、地域に受け継がれている思いがわかるかもしれませんね。

毎年楽しみにしている夏祭りも、今年は新型コロナウイルスの影響を受け、中止や規模を縮小しているところが多いようです。スケジュールを確認してからお出かけくださいね。

記事/杉本雅美

日々の生活の中で、無理のない程度に四季の変化を感じ、ひと手間かけることを心がけて夫とふたりで暮らしています。フリーのライターとしてインタビューやイベントレポート、暮らしに関することなど、多様な情報をお届けしています。

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