
【納豆のコト】納豆ができるまで
目次
日本人にとって愛すべき食材「納豆」。スーパーには多くの種類が並んでいますが、そもそもこの納豆…どうやって作るか知っていますか?今回は『納豆真打』の称号を持つ、地球納豆倶楽部の世安智典さんにお伺いしました!
1.大豆選び
納豆をつくるには、まず原料である、「大豆選び」からはじまります。ひと言で「大豆」といってもいくつもの種類があって、色・大きさはもちろん、味わいに個性があります。
「大豆」の種類は、農林水産省の登録品種として、約90種類あります(2020年11月現在)
実際には、各地域や土地ごとに、栽培されている大豆(在来種・地大豆)があるので、これよりも遥かに多い種類があります。
大豆は味噌や納豆、醤油や豆腐にも加工されますが、目指す味わいや風味によって、使用する大豆が変わってきます。さらに、同じ品種の大豆でも、栽培する地域あるいは栽培方法や育てる人によって、味わいなど品質が変わることがあります。また、栽培、収穫量が少ない在来種や地大豆は、市場に流通していないので、これを探すのも、大豆商品を作る上で、ひとつのロマンです。
納豆になるまで…
①「大豆の選別」があります。異物を取り除きながら品質の良くないものを除去します。質の良い納豆を作るために、大豆の粒の大きさもだいたい同じものに合せることも大切です。
②次に、「大豆を洗浄(水洗い)」し、水につけて(浸漬)、たっぷり水分を吸わせてもどします。大豆の状態や外気の温度なども配慮します。乾燥大豆から二倍くらいに膨らみます。
③もどした大豆を、蒸煮(蒸したり煮たり)しふっくらと柔らかくします。納豆は食感も大事なので、硬すぎず柔らかすぎず微妙な調整が必要、職人や製造所の経験値と技のみせどころです。
④熱々の大豆に、納豆菌をつけます。
納豆菌はどうやってつけるのでしょうか。
納豆菌は、水溶液状になっていて、噴霧器やきりふき、ジョウロを使って豆にまぶします。このときの、濃さや納豆菌の種類は、各製造所によって異なります。
ただ、納豆菌に関しては、昔から、伝統的に使われている納豆菌専門の菌屋さんがあり、日本では、主に代表的な三種類の納豆菌が使われています。(成瀬菌・高橋菌・宮城野菌)最近は他にも、特徴のある納豆菌をつかうところも出てきています。
⑤納豆菌を付けた大豆を容器に盛り込み、その容器のまま、発酵室(はっこうむろ)へ入れます。発酵室の構造や素材、形などは各製造所では理想の発酵を実現するために様々な工夫がされています。
⑥そして、じっくりと発酵させます。(発酵時間はだいたい20時間~24時間くらいです)温度や湿度、酸素量の調整によって、発酵の進み方がかわります。ここに、熟練した作り手の個性が表れ、できる納豆の特徴が生まれます。
⑦できたものを一旦冷蔵して納豆菌の活動、発酵を抑えます。約1日ゆっくり休ませ、これが、出荷されます。
納豆の味わいの個性は、どうやって引き出されるの?
まず、大豆そのものが持つ特徴(味や食感など)を選ぶことがあります。その大豆の個性を見極めて、大豆を蒸煮(茹でたり、蒸す)します。ここでも蒸煮の条件により圧力の具合や時間、熱量の与え方により食感や硬さの調整ができます。せいろを作って蒸し上げるところもあります。
そして最後はやはり発酵工程。糸引きや粘り、旨味や特徴の引き出し方に影響します。
微生物の活動に頼る部分も大きいので、いかに納豆菌が活動しやすい環境を作るか、作り手が最も気を使うとことです。発酵室の酸素の量や空気の流れ方、温度の変化の仕方などとても繊細な条件を整えながらの工程です。
スーパーへ行くと、多種多様な納豆がありますが、どのメーカーも「その素材の大豆の良さを引き出したい」「やわらかい豆にして食べやすくしたい」など「目指す納豆」になるように様々な微調整をした工程を経て、納豆が作られているということがわかりました。
実際、納豆真打の世安智典さんが扱う「地球納豆倶楽部」の納豆は、大豆の味わいが濃く、ねばりがしっかりとしたものが多いので「納豆ってこんなに味が違うものなのか」と驚くものでした。
そして、実際に味わって食べてみると、意外と「自分の好み」があることがわかります。そんな見つける楽しみを、暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょうか?
納豆真打とは
全国納豆協同組合連合会が納豆啓啓蒙活動として2017年から納豆の歴史や製造方法、文化などについて検定試験を実施。真打は三階級の最高位。
記事/地球納豆倶楽部
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