
二十日正月は正月期間の終わり
目次
現代のわたしたちにとって、1月20日といえば日常のひとコマです。
しかし、日本古来の習わしでは二十日正月とされており「正月の祝い納め」の日にあたります。この日をもって、正月行事がすべて終了するとされていました。(地域によっては、1月30日の三十日正月のところもあります)
いまでも、実は日常に根付いた行事として大切に受け継がれているんです。
二十日正月はどんな日?
二十日正月といえば、正月の終わりとして歳神様がお帰りになる日と言われていました。歳神様をお送りするために前日の1月19日、お供え物として尾頭付きのお膳や小豆御飯を準備する地域もあります。
そして、1月20日の早朝に歳神様たちお帰りになるので、二十日正月にはお正月の飾り物などは全て片付けて、正月行事の締めくくり。昔はお正月期間がとても長かったのですね。こんなに休めたらいいのに・・・と思ってしまいます。
休息日でもあった日
かつては正月の終わりとなる節目として、仕事を休む習わしがありました。
新年から働き詰めだった女性が休息するために里帰りをしたり、小正月からの里帰りを終えて戻ってくる日だったりしたようです。
鏡開きも以前は1月20日に行われていました。
しかし、江戸時代に将軍徳川家光が亡くなったのが慶安4年(1651年)4月20日 。月命日にあたる20日を忌日として避け、松の内後の1月11日に行うようになったといいます。しかし、松の内が1月15日までの地方は、今でも1月20日に鏡開きが行われています。
お正月に用意したものをきれいに食べつくす
現代にも受け継がれている風習に、「正月の料理を食べつくす」という一風変わったものがあります。地方によっては二十日正月を「骨正月」「頭(かしら)正月」「棚探し」などと呼びますが、どうしてこのような呼び名がついたのでしょうか。
お正月に供物として準備する魚を「年取魚」と呼び、代表的な魚として東日本では鮭が、西日本では鰤を準備します。
そして、正月に準備した魚の頭や骨まで酒粕や根菜と一緒に煮ることで残さず食べつくすことから、このような呼び名がつくようになりました。理由を聞くと納得ですね。魚以外にも、小豆粥や麦飯などを食べることもあります。
骨まで残さず食べることで、実りへの感謝や今年の豊作への願いが込めていたといいます。
仕事を休むことは叶いそうにありませんが、お正月に用意していた食べ物でなくても残ったものをきれいに食べつくす区切りの日にしてみてもいいかもしれません。
この日は食材を余すことなく、大切に最後まで食べる素敵な習慣として取り入れてみるのはいかがでしょうか。
まだ寒い季節が続きます。温かい煮物料理で体を温めて乗り切りたいですね
記事 / 葉月 智世
季節を感じ、日々の暮らしを丁寧に過ごすことをモットーにしています。ジャンルにとらわれず、幅広い記事を書いていますが、特に歳時記や行事ごとを無理なく暮らしに取り入れることが得意。
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