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食のコト 2021.03.08

食からめぐるエシカルな暮らし『平飼い卵を選ぶ理由』

見えない向こう側で起きている事を知る

私たちが普段買い物をするときに、それがどこでどのようにして作られているのか、想像した事はありますか?

今回は普段食べる機会の多いであろう、卵について書いてみようと思います。

スーパーで見かける値段の安い卵と、平飼いと明記されている値段が割高な卵。その違いは?と考えると、平飼いされている鶏はのびのびと自由に歩き回れる鶏舎で育てられていることが想像できると思います。
ではそうでない鶏は、どのような環境で育てられているのか?
公にされる事はあまりないのが現状です。

ケージ飼育の問題

価格の優等生とも呼ばれ、価格変動の少ない安定した商品というイメージのある
一般的な卵ですが、じつはその多くがケージ飼育という飼育法で、鶏たちを苦しめている現状があります。
ケージ飼育とは、鶏を狭い籠に閉じ込め、身動きもとれないほど過密な状態で飼育する方法で、その中はとても衛生的とは程遠い劣悪な環境の中で、ひたすら機械のように卵を産ませられ続けている状態です。
ウィンドウレス鶏舎など、外の光も入らないような鶏舎もあります。当然そのような環境では鶏たちは弱り、病気になりやすくなるため、抗生物質などの薬剤を散布されたりしています。

鶏は本来、とても賢い動物で、本能的に餌を探して地面を歩きまわり、砂浴びをして寄生虫を落としたり、夜は敵から身を守るため高いところで眠るなどの習性があります。
このケージ飼育は鶏たちが本来持っている生理的な欲求すら満たされることのない飼育法である事は明らかです。

昨年から猛威を振るっている鳥インフルエンザのニュースなどで、1つの養鶏所で何万羽もの殺処分が行われたという事を耳にしたりしますが、それこそ過密飼育の実態を表していると言えるでしょう。
このような飼育環境では、ひとたび感染症が発症すれば、あっという間に広まり、その分犠牲になる鶏たちの数も多くなります。
そして、殺処分に使われるお金は私たちの税金で賄われています。

悲惨な状況の中で卵を産んでくれている鶏たちの尊厳は守られる事もなく、
安い値段で売られている・・命に感謝していただく、というイメージとは程遠いものに思えます。

世界から遅れをとる日本

このような飼育法に問題があるとして、世界ではケージフリーへの動きが強まっていて、2017年にはヨーロッパではケージフリー卵の生産が上回っているのに対し、日本では実に90%の農家がケージ飼育をしているという現状があります。

このような現実はすぐに変わるものではないかもしれません。

でも、私たちが卵を買う時、少しだけ食べる量を減らしてそのぶん平飼いの卵を選んでみる事、お店に置いてなければ声を届けてみる事など小さな行動を起こす人が増える事で、人にとっても動物にとってもよりよい未来を
作っていく事ができるのではないでしょうか?

コラム/寺田真紀

茨城県在住。2児の母。東日本大震災を機に食について学び発酵食品の素晴らしさを知る。
自宅にて少人数制の料理教室「発酵教室ユルリト」を主宰。教室では、とらわれすぎない心と発酵食について伝えている。
四季の移ろいを感じ、その時その土地で採れたものを使った季節の手仕事をするのが好き。

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