
季節の変わり目である春のお彼岸
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3月も半ばを過ぎ、春らしい陽気の日も少しずつ増えてきました。朝晩と昼間の寒暖差が大きく、着るものに悩む季節です。そんな時期に、春のお彼岸がやってきます。今回は、春のお彼岸についてご紹介しましょう。
お彼岸はいつ?
お彼岸は、春と秋の年に2回あります。春のお彼岸は春分の日を中日として前後に3日間、合計1週間ほどが「お彼岸」の期間になります。
秋も同じで、9月にある秋分の日を中日にして前後に3日間、1週間ほどあります。毎年、暦の関係で多少の前後はありますがおおむねこの期間がお彼岸になります。
最初の日を彼岸入り、尾張の日を彼岸明けと呼びます。
今年は3月17日(水)が春の彼岸入り、3月23日(火)が彼岸明けとなっています。彼岸入り・彼岸明けと言う言葉も最近では聞くことが少なくなってきました。
お彼岸にすること
では「お彼岸」はどんな行事なのでしょうか?
あまり意識していない方でも、春の3月と秋の9月にお墓参りをするということは何となくニュースなどで見たことがあるかもしれません。
「お彼岸」は、サンスクリット語の「パーラミター」が語源だと言われています。仏教用語である「パーラミター」を音写したのが「波羅蜜多(はらみった、はらみた)」。
経典で知られる般若心経など、仏教ではとても大切な概念です。
「パーラミター」とは「完成する、成就する」という意味を持っています。仏教では、欲や煩悩、苦しみに満ちた輪廻の世界から解放されて、迷いのない悟りの境地に達することを表すと言います。
この悟りの境地である「パーラミター」を、川を挟んだ向こう側、「彼岸」に例えたのが日本の「お彼岸」です。
今、私達が生きる煩悩の世界は「此岸(しがん)」と言います。
日本の信仰では、亡くなった家族やご先祖様は迷いのない「彼岸」へ行き、時折私達の生きる此岸に姿を現すと考えられています。
春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り真西へと沈みます。そのため彼岸と此岸とがつながりやすくなり、この時期に先祖供養をして冥福を祈ると同時に、わたしたちも迷いのない此岸に到達できるよう願うのです。それがお墓参りに繋がったと言われています。
お彼岸に食べるもの
お彼岸のお供え物と言えば、春は「ぼたもち」秋は「おはぎ」です。
実はぼたもちとおはぎは同じもの。季節によって呼び名が変わり、ぼたもちは春に咲く牡丹の花に、おはぎは秋に咲く萩の花にちなんでいます。
日本では、小豆の赤い色はめでたい色としていました。特に秋は小豆の収穫時期と重なり、小豆の皮も柔らかいため粒あんでおはぎを作ります。逆に春まで保存していた小豆は皮が固くなるため、こしあんにしてぼたもちを作ります。
ご先祖様にお供えした後は、美味しくいただくのがルール。
神様にお供えしたものを、体内に取り込むことで神様のお力をいただくと言う意味も込められています。
以上、春のお彼岸についてご紹介してきました。
お墓参りやぼたもちの由来を改めて知ると、自然の巡りに合わせた行事だとわかります。
ぜひ、この期間にお墓参りやぼたもちを食べてみてはいかがでしょうか。
記事 / 葉月 智世
季節を感じ、日々の暮らしを丁寧に過ごすことをモットーにしています。ジャンルにとらわれず、幅広い記事を書いていますが、特に歳時記や行事ごとを無理なく暮らしに取り入れることが得意。
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