
部位別ステーキ肉の特徴とおいしい焼き方とは?
チキンステーキやポークステーキなど、鶏肉や豚肉もステーキで食べることがありますが、ステーキといえばやはり牛肉を焼いたビーフステーキが王道ではないでしょうか?
しかし、一言でビーフステーキといっても、ステーキにする部位によって特徴や焼き方が違うため、実は奥が深い料理です。この記事では、ステーキ肉の部位別の特徴とおいしい焼き方について解説します。
部位別ステーキ肉の選び方
ステーキをおいしく食べるためには、どの部位を選んでステーキにするかが重要になります。牛肉の中でもステーキにされる部位が複数あり、部位により味や食感が違ってきます。
ステーキ肉は、決して安い食材ではないため、失敗しないように自分好みの部位を選びたいものです。お肉選びに失敗しないためにも、部位ごと特徴を知っておきましょう。
脂の甘みと旨みを感じられる部位
牛肉は、部位によって脂肪分が多い部位と、脂肪分が少ない部位に分かれています。テレビなどで紹介される霜降りとは、脂身が霜のようにまばらな形状になっている枝肉もことを言います。脂身は、肉の甘みと旨みを感じることができる部位ですが、好き嫌いが分かれる部分でもあります。
しかし、牛肉に含まれる脂には、コレステロールを下げて動脈硬化の予防に効果があるため、除去せず摂取したい部分です。脂身を豊富に含んでいる代表的な部位は、「ロース」と「サーロイン」です。
ロース
ロースは、牛の背中のお肉のことを指し、肩に近い部分の肉を「肩ロース」、背中の中心部分の肉を「リブロース」と大きく2つの部位に分けられます。全体的に霜降り部分がきめ細かく枝分かれしており、肉質がとてもやわらかいです。
赤身と脂身のバランスが良く見栄えも抜群の部位です。薄切りにしてすき焼きや焼肉に使用されることも多いですが、厚みが活かせるステーキとして食べることで、舌の上で溶けるような食感を味わうことができます。
サーロイン
サーロインは、ステーキといえば「サーロインステーキ」と言われることもあるほど、ビーフステーキの王道と呼べる部位です。牛肉の部位でもヒレに次ぐやわらかさが特徴で、赤身肉の旨みと霜降り肉の旨みの両方を併せ持っています。
「サーロイン」のサーは、英国貴族の称号から付けられていて、ステーキの部位として最高の部位という意味合いがあります。
サーロインは、牛の腰あたりのリブロースとランプの間の部位を指していて、ロースの一種とされています。ロースと同じく霜降りががかかっていて、舌の上でとろけるような食感ですが、しっかりとした肉の旨みを味わうことができます。
赤身しっかりとした食べごたえがある部位
霜降り肉のとろける食感は、ステーキの高級感をより引き立たせてくれますが、人によっては霜降り肉の脂が苦手な方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方には、脂身が少ない赤身肉がおすすめです。赤身肉は、脂が少なく低カロリーなため、ダイエットのときに食べるお肉として向いています。牛肉の赤身肉として代表的な部位は、「ランプ」と「ヒレ(フィレ)」があります。
ランプ
ランプは、牛の腰からお尻にかけての部位になります。肉質が引き締まっていながらもヒレとサーロインに次ぐやわらかい赤身肉で、味はあっさりしてクセがなく風味も豊かなため、脂肪の脂っぽさが苦手な方におすすめの部位です。
ランプは、ステーキだけでなく、牛刺しやたたきに使用されることも多い部位です。値段もサーロインやヒレに比べて安くはなっていますが、国産のランプは値段が高く、アメリカ産などの輸入肉は安くなっていて、価格差が大きくなっています。
脂肪が少なく低カロリーのため、カロリーが気になる方やダイエット中の方でも食べやすくなっています。
ヒレ(フィレ)
ヒレはフィレと呼ばれることもある部位で、サーロインの下側にある細長い部分のお肉です。ヒレは、牛1頭に占める割合が3%しかない希少部位で、この中でも特に肉質が良い部分が高級食材のシャトーブリアンです。
そのため、サーロインがステーキの王道と呼ばれているのに対して、ヒレはステーキの女王と呼ばれるほど牛肉の部位の中でも最高部位として評価されています。
ヒレは、動くことがあまりない部位で、繊維が繊細で非常にやわらかく、糖質量やカロリーも低くなっています。希少部位で高級料理に使用されることが多いため、牛肉の中でも値段が高価な部位となります。
ステーキ肉の焼き方の種類
部位によってステーキ肉の特徴が異なり、味も大きく違ってきますが、ステーキの焼き方でもその味わいが変わってきます。
ステーキの焼き方は細かく分けると10種類ほどの焼き方があると言われていますが、一般的に知られている焼き方は、「レア」・「ミディアム」・「ウェルダン」の3つではないでしょうか?
この3つの焼き方は、家庭でも実践できる焼き方で、部位や好みに合わせて使い分けていくとステーキをより味わい深く食べることができます。ここでは、「レア」・「ミディアム」・「ウェルダン」について紹介します。
レア
レアは表面だけ強火で軽く焼いて焼き色をつける焼き方で、焼き時間が短いため内部はほとんど生の状態です。肉の色は赤色で、生よりも食べやすくはなっていますが、食感は繊維が残っていますが、牛肉本来の旨みを楽しむことができる焼き方です。
レアはたんぱく質が縮んでいないため弾力がなく肉汁は繊維に留まっている状態のため、焼き上がり具合は、指で押して沈んでいく状態になっているかを確認しましょう。
ミディアム
ミディアムはレアよりも焼き時間が長く、お肉の内部が少し生っぽさが残るピンク色になるまで焼く焼き方です。たんぱく質が固まっていてスジっぽさもないため、肉の歯切れが良く肉汁が染み出すジューシーさが特徴的な焼き方です。
焼き加減の目安は、たんぱく質が固まって弾力が出てきているため、指で押してあまり沈みこまないようになれば加熱を止めましょう。
また、ミディアムよりも少し生っぽくしたい場合は、焼き時間を少し短めにすると「ミディアム・レア」の焼き方になります。ステーキ肉の厚さによって焼き時間は違いますが、肉をひっくり返すのは1回だけで大丈夫です。
ウェルダン
ウェルダンは、生っぽさが残らないように、内部の赤色がなくなるまでまでしっかり焼き上げる焼き方です。繊維が収縮していて、繊維から肉汁が出やすくなっているためしっかりとした弾力があり、肉感を感じることができる焼き方です。
焼き加減は、竹串を刺して肉汁が透明になるまで加熱し、指で押したときに押し返される弾力があれば焼き上げ完了です。生っぽさが苦手な方におすすめの焼き方ですが、焼きすぎるとお肉のおいしさを損なってしまうため、焼きすぎに注意しましょう。
部位別ステーキ肉のおいしい焼き加減
ステーキ肉には、ステーキにしておいしく食べることができる部位が豊富にあります。また、ステーキの焼き方にも種類があるため、様々な味わいを楽しむことができます。
一般的に牛肉の脂身はあまり火を通さない方がよく、赤身はしっかり火を通した方がおいしく食べることができると言われているなど、脂身と赤身のバランスによって適した焼き方が変わってきます。
では、部位ごとにどの焼き方がより特徴を活かしておいしく食べることができる焼き方なのでしょうか?ここでは、部位別にステーキ肉のおすすめの焼き方について紹介します。
ロース
ロースは、霜降りと赤身のバランスが取れた部位のため、生の部分を残しつつ弾力が出るミディアムがおすすめです。
また、ロースには肩ロースやリブロースがあり、それぞれ霜降りと赤身のバランスが異なるため、霜降りが多い場合はレアに近いミディアムレアで、赤身が多い場合はミディアムで焼くなどお肉のバランスで焼き加減を微調整しましょう。
ロースをウェルダンで焼いてしまうと、霜降りの舌の上で溶けるという特徴を消してしまうため、生の部分を多少残した焼き方がおすすめです。
サーロイン
サーロインは、ステーキ肉の王道と呼ばれる赤身ジューシでやわらかく霜降りの両方の旨みを堪能することができる高級な部位です。肉本来の味とやわらかさを味わうならば生に近いレアで焼き、肉汁を味わいながら舌の上でとろけさせたいならばミディアムで焼くようにしましょう。
サーロインは、焼きすぎるとジューシーなやわらかさがなくなってしまうため、ウェルダンで焼くことにはあまり適していません。ジューシーなやわらかさを味わうためにも、生の部分を残した焼き方で食べましょう。
ランプ
ランプ肉は、赤身が多く脂肪が少ない部位ですが、赤身の部分がやわらかいため牛刺しやたたきに使用されたり、煮込み料理に使われることがあります。そのため、ミディアムレア~ウェルダンまで幅広い焼き方できる部位です。
ランプ肉は、ジューシーに仕上げるならばミディアムレアで、肉汁の旨みを堪能したい場合は、じっくり火を通すウェルダンで焼くなど好みによって焼き加減を調整しましょう。
ヒレ(フィレ)
ヒレ肉は牛肉の3%しかない希少部位で、脂肪がほとんどない赤身肉です。しかし、ヒレの赤身部分は、ほとんど動かない部位のため牛肉の中でも一番やわらかくジューシーな部位と言われています。
そのため、ジューシーなやわらかさを楽しめるミディアムレアで仕上げることをおすすめします。しかし、生っぽいのが苦手な方にはウェルダンでも焼きすぎなければ、肉汁は少なくても食べ応えがありおいしく食べることができます。
ステーキを上手に焼くコツ
おいしいステーキを家で食べるには、ステーキにする部位の選定や部位に合った焼き方も重要ですが、それ以外にも上手に焼くための下準備や加熱の仕方など抑えておくべきポイントがあります。ここでは、ステーキを上手に焼くためのコツについて解説します。
ステーキ肉を室温に戻しておく
ステーキを焼くときには、焼き加減や火力の強さに気を配ることが多いですが、焼く牛肉の温度にも気を配る必要があります。ステーキを焼く前には、冷蔵庫からお肉を取り出して30分~1時間ほど常温に戻しましょう。
お肉を常温に戻すことで、冷蔵されていた牛肉の外側と内側の温度差が小さくなるため、火の通りが均一になり、外側が焼けていても内側が冷たいというような焼きムラが出ることを防ぐことができます。
下ごしらえでステーキ肉をやわらかく
ステーキ肉でも部位によっては、そのまま焼き上げてもやわらかく焼き上げることも可能ですが、下ごしらえをしておくことで、よりジューシーな焼き上がりにすることができます。肉を固く感じる原因は、肉の繊維が加熱され急激に縮むことで、反り返ったりすることが原因です。
そのため、焼く前にフォークでお肉全体を刺して繊維を断ったり、包丁で繊維に切れ目を入れることでやわらかい焼き上がりにすることができます。
強火で旨みを閉じ込める
ステーキをおいしく食べるには、牛肉の旨みである肉汁をしっかり内部に閉じ込めて焼き上げることが大切です。内部に火を通しすぎてしまうと、肉汁が消えてしまうため長い時間かけて加熱することはNGです。ステーキを焼くときは、強火で一気に加熱するようにしましょう。
余熱で焼き加減を調整
旨みを閉じ込めるために、強火で一気に加熱することが重要と紹介しましたが、中心部までしっかり火を通したい場合には、火を止めたあとにアルミホイルで休ませることで、余熱で内部まで肉汁を失わずに加熱することができます。
また、余熱で表面温度を全体ひ広げることで肉汁の流失を防ぎ、自分好みの焼き上がり方に調整することができます。
まとめ
いかがでしたか?ステーキには、特徴が違う多くの部位があり、部位に合ったおいしく食べるための焼き方があります。
今でもステーキは、ごちそうというイメージが強く、何か特別な日に食べることも多いのではないでしょうか。そんなごちそうであるステーキをおいしく焼き上げて、特別な日をより良いものにしてください。
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