
スパイスの女王!知って得するカルダモンの成分・効能と保存方法
カルダモンは、料理をしない人にはあまり耳にすることが少ないスパイスですが、世界の様々な国の料理や飲み物などの香りづけに使用されるなど、爽やかで香りが高いスパイスです。
また、カルダモンは、薬として使用されることも多く、様々な効能・効果が期待されています。
この記事では、カルダモンの効能や特徴について紹介します。
カルダモンの特徴
カルダモンは、世界で最も古いスパイスの1つと言われており、強く爽やかな香りが特徴的なスパイスで、「スパイスの女王」や「香りの王様」とも呼ばれています。
また、品の良い香りが人気となり、柑橘系などとブレンドした香水が販売されています。
カルダモンは、ショウガ科の多年生植物で、実の中の種子を乾燥させて使用されます。また、栽培や収穫が難しいとされていて、スパイスの中でも高価な価格で販売されています。
昔からインドや北欧で使用されていましたが、日本では明治時代に苦みチンキの原料として使用されたのが始まりと言われています。
カルダモンはピリッとした辛みの中にほろ苦さも持ち合わせた味が特徴ですが、香りが強いため、少量だけ使用するなど使い過ぎに注意する必要があります。
日本ではカレー粉の主原料として使用されることが多いですが、欧米ではパンやお菓子に使用されています。
カルダモンの効果・効能
カルダモンは特徴的な爽やかな香りで料理の香り付けに使用されることが多く、インドや中東、北欧などでは料理のスパイスとして常備されています。
また料理だけでなく、古代ローマ帝国時代には生薬や医薬品として活用されているほど、健康面でも効能や効果に期待できるスパイスです。
それではカルダモンを摂取することで、どんな効能や効果が期待できるのでしょうか?
殺菌作用
カルダモンには防腐効果が高く、殺菌作用に優れた成分「1.8-シネオール」が含まれています。
「1.8-シネオール」の殺菌作用で細菌を排除することにより抗ウイルス作用や免疫調整作用も効果を発揮し、感染症対策の効果が期待できます。
また、「1.8-シネオール」には抗炎症作用もあり、細菌を排除しながら喉の炎症を軽減して、痰や咳を鎮める働きもあり、呼吸器のトラブルを防いでくれる効果にも期待できます。
咳や痰を鎮めたい場合はカルダモンを食事や飲み物で摂取する以外にも、香水やアロマオイルといった使い方で効果を発揮することができます。
消化を助ける
カルダモンには含まれている主成分に、消化を促進させる「テルピニルアセテート」があります。
この「テルピニルアセテート」は、胆汁の分泌を促すことで消化を助ける働きをしています。
カルダモンは消化を促進させることで胃もたれやお腹にはりがある場合の改善に効果を発揮し、お腹に溜まったガスを分散してくれるため、胃腸を始めとする消化器官のトラブル改善に高い効果が期待できます。
また、消化を助けるということはダイエット効果にも期待ができる働きがあるため、女性にも人気のスパイスとなっています。
血行促進
カルダモンの香りには血行を促進させる効能があると言われており、血行を促進させることで高血圧の予防だけでなく、冷え性を改善させる効果にも期待が持てます。
血行が良くなると体中の血の巡りが良くなるため、脳にもしっかり血液が巡り、集中力をアップさせることにもつながります。
これは、カルダモンに豊富に含まれるマグネシウムなどのミネラルやカリウムやカルシウムが、血圧を安定させ血行を促進させる働きの要因になっているためと考えられています。
リラックス効果を与える
カルダモンは、香り成分の酢酸リナリルとリナロールの働きによりリラックス効果も期待できるスパイスと言われています。
酢酸リナリルには交感神経を鎮める高い鎮静作用があり、神経伝達物質のセロトニンの放出を調整して、心を落ち着かせる働きがあります。
また、抗うつ作用や中枢神経を鎮静する働きにも期待でき、リラックスさせストレスを和らげてくれるため、質の高い睡眠をサポートしてくれる効果もあります。
リナロールは、抗不安作用や血圧を降下させる作用があり、心を落ち着かせて不安を和らげる働きが期待できます。
口臭を防ぐ
カルダモンには、口臭を防ぐ効果に期待できる香り成分のシネオールが含まれており、消臭効果が期待できるスパイスとしても知られています。
シネオールの消臭力は、強いアルコール臭やニンニク臭にも高い消臭効果を発揮することができ、消化不良のときに出やすい胃酸の臭いにも効果があります。
そのため中東の国々では、カルダモンの実を食べながらお酒を飲む習慣があるようです。
また、シネオールの消臭効果は口臭を防ぐだけにとどまらず、食材の臭い消しにも使用され、消臭スプレーとして衣類などの臭い消しにも利用されているほど高い消臭効果があります。
カルダモンの副作用
生薬や医薬品としても使用され、様々な効能・効果に期待できるカルダモンですが、他のスパイスと同じように過剰に摂取しすぎると副作用を引き起こす可能性があります。
カルダモンを過剰に摂取することで、どのような副作用を引き起こしてしまうのでしょうか?
また、妊婦さんや子どもはカルダモンを食べても大丈夫なのでしょうか?ここでは、カルダモンを摂取することで起こりうる副作用と1日あたりの許容摂取量について解説します。
過剰摂取による消化不良に注意
カルダモンは、適量を摂取することで消化を助ける効果に期待できますが、過剰に摂取してしまうと逆に消化を阻害して消化不良を引き起こしてしまいます。
それは、カルダモンには消化を助ける効果もありますが、粘膜を鎮静化させ胃酸や胃のむかつきを抑える効果もあるため、過剰に摂取することで消化を妨げてしまうからです。
胆石・胆嚢・胆管に疾患がある方は鎮痛効果に注意
カルダモンには痛みを軽減する効果もあります。
胆石・胆嚢・胆管に疾患がある方は、この効果により痛みを軽減することで危機感を失ってしまい、病状を悪化させてしまう原因になることもあります。
このような持病がある人はカルダモンを多量に摂取するような使い方は控えるようにしましょう。
一日の許容摂取量
カルダモンの研究は主に動物実験で行われるため、カルダモンの1日の許容摂取量は国による上限や医学的に定まっていません。
そのため、過剰に摂取しないように調整しながら摂取していく必要があります。
カルダモンはスパイシーな香りと刺激が強いスパイスのため、料理に適度にかける程度で使用することが望ましいです。
他のスパイスにも言えることですが、料理に使用する時には、「味が薄い」と感じるときに微調整で味を整えるために、ふりかける程度の使用量で抑えるようにしましょう。
しかし、サプリメントで摂取する場合は、500mlを1日2回と設定されていることが多いです。
妊婦さんはカルダモンを食べても大丈夫?
妊婦の方が過剰にカルダモンを摂取したりサプリメントで摂取してしまうと流産の危険性が懸念されているため、食事で適量を摂取する程度に抑えましょう。
また、出産後の授乳中の方も安全性が確立されていないため、食事で適量摂取する程度に抑えた方が無難です。
しかし、食事などで適量のカルダモンを摂取することはつわりのときの吐き気を抑えてくれる働きがあるため、妊婦さんを助ける効果が期待できます。
子どもはカルダモンを食べても大丈夫?
子どもがカルダモンを摂取する場合は、食事に通常含まれている量を食べることは問題ありません。
むしろカルダモンを適量摂取することで、記憶力や集中力アップ、虫歯予防など子どもの成長をサポートする働きが期待できます。
しかし、カルダモンを過剰に摂取したり、サプリメントで摂取することは、安全性が確立されていないため、副作用を引き起こす可能性があるので控えましょう。
色々なカルダモン
ショウガ科の多年草の種子を使っているカルダモンは、主に「グリーンカルダモン」と「ブラウンカルダモン」という2種類があり、それぞれ見た目や風味が違います。
また、カルダモンは用途に合わせてパウダーにしたり、ホールで使用したりと使い分けることができます。
グリーンカルダモン
「グリーンカルダモン」は、1㎝ほどのさやの中に10粒~20粒の種子が入っていて柑橘系の爽やかな香りが特徴のカルダモンです。
日本の店頭に並んでいるカルダモンは、ほとんど「グリーンカルダモン」です。
ブラウンカルダモン
「ブラウンカルダモン」は、さやの大きさが2㎝以上あり、さやの中に50粒程度の種子が入っています。
「ブラウンカルダモン」は、「グリーンカルダモン」に比べてクセがある香りで、油で加熱して香りを引き立たせてから使用します。
カルダモンパウダー
カルダモンパウダーは、カルダモンの種子を粉末状のパウダーにすることにより、そのまま使用することができる手軽さが魅力です。
使用用途としては、料理の最後の香りづけにふりかけたり、食材に混ぜたり、他のスパイスと混ぜて使用することが多いです。
使い勝手が良い反面、粉末状のため香りが飛びやすく、開封後は香りが飛ばないようにしっかり密閉して保管することが大切です。
カルダモンホール
カルダモンホールは、種子がさやに包まれている状態です。種子の部分からカルダモンの香りが出ているため、さやを開いたり、砕いたりして香りを引き立たせて使用することになります。
そのため、最初に油で加熱して香りを油に移して調理を始めることから、スタータースパイスとして利用することができます。
カルダモンホールは、じっくりと加熱して香りを引き立たせてる煮込み料理に適しています。
カルダモンを使った料理
カルダモンには様々な効果が期待できるスパイスということを紹介してきました。
やはりカレーの欠かせないスパイスということで、料理をスパイシーな仕上がりにするというイメージが強いのではないでしょうか?
確かにカレーを始めエスニック料理などに使用されますが、他の調理方法でもカルダモンを上手に摂取することができます。ここでは、カルダモンを使った料理について紹介します。
カレー
カルダモンと言って思い浮かぶ料理といえば、やはりカレーを外すことはできません。
市販されているほとんどのカレー粉にもカルダモンが入っているほどカレーには欠かせないスパイスとなっていて、カルダモンが入っていないカレーには少し物足りなさを感じます。
カレーにカルダモンを使用する場合にはパウダーにして他のスパイスと混ぜてから調理するよりも、ホールでスタータースパイスとして調理した方がカルダモンの香りをより引き立たせることができます。
煮込み料理
カレーとの相性が抜群のカルダモンですが、ホールでスタータースパイスとして使用することでじっくり加熱して香りを引き立たせる煮込み料理との相性も抜群です。
また、カルダモンはショウガ科の多年草の種子のため、煮物料理に使用することで体を温める効能が高まります。
北欧ではカレーではなく、赤ワインやトマトと煮込んだ料理に使用してカルダモンの香りを引き立たせて食べることが一般的です。
チャイ
中東の国々ではカルダモンを料理に使用するだけでなく飲み物としても使用されて、他のスパイスと同じようにスパイスティーとしてチャイ(お茶)にして飲用されています。
カルダモンをチャイにすることで、ショウガの風味が良く、スパイシーな味わいを楽しむことができます。寒い時期には、体を温める効果も抜群のためおすすめです。
カルダモンコーヒー
インドやトルコではコーヒーの中にカルダモンを入れる文化があり、来客があった場合などはカルダモンコーヒーを出してもてなすことが作法となっています。
カルダモンコーヒーは一般的なブレンドコーヒーに比べて後味がスッキリしていて、消化機能を助けてくれるため食後の一杯として最適なコーヒーです。
作り方も簡単で、カルダモンをホールで煮立たせたお湯でコーヒーを抽出するだけです。
しかし、カルダモンは香りが強いため、煮出す分量には注意が必要です。
まとめ
スパイスの女王と呼ばれているカルダモン。
日本ではまだまだメジャーなスパイスとは言えませんが、生薬や医薬品としても使用されるほど優れたスパイスです。
摂取量に注意する必要して、ぜひカルダモンの持つ効能や効果を体感してみてください。
執筆 / ケノコト編集部
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