
人気の鶏むね肉がやわらかくなる冷凍保存・解凍方法!下味冷凍もおすすめ
目次
ヘルシーで値段もお手頃な鶏むね肉は、ダイエットでも人気の食材です。冷凍してストックしている人も多いようですが、「冷凍するとパサパサして使いにくい」という声も聞かれます。鶏むね肉をやわらかく楽しめる冷凍方法や解凍方法を紹介していきましょう。
しっとりパサつかない鶏胸肉の冷凍保存
鶏肉の中でも脂質が少なくたんぱく質の多いむね肉は、淡白な味わいからどんな味つけでも楽しめることで人気です。もも肉に比べると100gあたりで30~40円ほど安いことが多いのも魅力でしょう。パサパサとした食感が苦手、という人もいるようですが、実は、鶏むね肉は冷凍することでやわらかく味わうことが可能です。冷凍することで繊維が壊れてやわらかくなり、味も染み込みやすくなるのです。さらに、冷凍前の下処理でひと手間加えることによって、しっとりパサつかない鶏むね肉になります。まずは、切り方を見直してみましょう。
鶏むね肉は、その名の通り手羽を取り除いた胸の部分の肉ですので、繊維がたくさん含まれる部分です。この繊維が、パサパサとした食感のもとにもなっています。パサつかない食感で食べたいときには、繊維の向きに直角に包丁を入れ、できるだけ繊維を断ち切るようにそぎ切りにしましょう。
包丁で鶏むね肉を観音開きにし、叩くこともおすすめです。叩くことで繊維が潰され、パサつきを抑えることができます。包丁の背で身の部分を軽く格子状に叩くようにしましょう。
欧米では、「ブライニング」という技術を用いることもあります。水に対し、5%の塩と砂糖を混ぜて作った「ブラウン液」という溶液に肉を浸け込むことでやわらかくする技術です。カットしたもので2時間以上、大きいものであれば一晩冷蔵庫内で漬け込みます。
冷凍保存のポイント
鶏むね肉は冷蔵では1~2日しか日持ちしない食材のため、すぐに使う予定がないときには買ったその日に冷凍するのがベストです。すぐに対応できるよう、鶏むね肉を冷凍保存するときのポイントを頭に入れておきましょう。
冷凍保存
下味をつけずに冷凍保存する場合には、氷水にさらしてから氷の膜を張って保存するのがおすすめです。この氷の膜は「グレーズ」と呼ばれ、鶏むね肉を乾燥や酸化から守る働きがあるといわれています。
鶏むね肉をパックから取り出し、使いやすい大きさにカットします(1枚まるごとでも大丈夫です)。
氷水を入れたボウルにしばらく肉をつけて冷やし、取り出して余分な水分をキッチンペーパーで拭いたら金属製のトレーにのせ冷凍します。保冷剤があれば上にのせておくと、さらに急速に冷やせます。少し時間をおいて確認すると、肉の表面にうっすら氷の膜が確認できるはずです。グレーズごとラップでぴったりと包んでから、フリーザーバックに入れて冷凍後で保管しましょう。
グレーズを作る時間がない場合には、代わりに少量の塩と料理酒をもみ込んでから冷凍するとよいでしょう。塩分で身が引き締まり、酒で表面をコーテイングすることでしっとりとした食感を守ります。
下味をつけて冷凍保存
解凍後のレシピが決まっている場合には、あらかじめ好みの調味料で下味をつけてから冷凍保存しましょう。冷凍保存することで鶏むね肉の繊維が壊れ、しっかりと味が染み込みます。
調味料に含まれる塩分や油分は、肉を乾燥から守るだけでなく殺菌効果もあることから、生のまま冷凍するよりも保存期間も延ばせます。解凍したものを加熱するだけで食べられるため、調理の時間短縮にもつながりますね。照り焼きやしょうが焼きなど、普段からよく食卓にのぼるレシピの味つけをしておくのもよいのですが、レシピが決まっていない場合には、砂糖・塩・料理酒に片栗粉をまぶしただけのシンプルな味つけで冷凍しておくと、さまざまなレシピで活用できますよ。
【材料(鶏むね肉2枚分)】
砂糖・・・・・・大さじ1
料理酒・・・・・・大さじ2
塩・・・・・・小さじ1/2
片栗粉・・・・・・大さじ2
【作り方】
①繊維を断ち切るようにそぎ切りにした鶏むね肉に、砂糖をもみ込みます。
②砂糖が全体になじんだら、フリーザーバックに肉・塩・料理酒・片栗粉を入れてしっかりともみ込み、冷凍庫で保存します。
保湿効果の高い片栗粉を入れておくことで、よりしっとりとした口あたりに仕上がります。解凍後は揚げる・炒める・煮込む・ゆでるどんな調理方法でも使えます。調理しながら好みの味を足していきましょう。
ゆでてから冷凍保存
鶏むね肉はゆでてから冷凍しておくと便利な食材です。しっかりとだしの出たゆで汁と一緒に冷凍しておけば、肉の水分を失わずにしっとり保存できる上、解凍後はスープとしても楽しめます。無駄なく鶏むね肉を味わい尽くすことができるおすすめの方法です。
鍋に入れた鶏むね肉が浸かるくらいの水を入れ、強火にかけます。水からゆでることでだしが出やすくなります。沸騰したら、弱火にして火が通るまでゆでましょう。肉の大きさにもよりますが、ゆで時間の目安はおよそ12分です。火を止めたら、鍋のまま2時間ほと室温において粗熱を取ります。粗熱が取れたら、ゆで汁ごとフリーザーバックに入れて冷凍しましょう。
しょうがや長ねぎの青い部分などを一緒に入れてゆでると、より風味豊かに仕上がります。解凍後に少量ずつ使いたい場合には、鶏むね肉とゆで汁を別のフリーザーバックに分け、肉はさいてほぐしておくと使いやすいでしょう。
加熱してから冷凍保存
鶏むね肉は、ゆでる以外の方法で加熱したものでも保存可能です。
おすすめは、そぎ切りにしてから少量の料理酒をもみ込んだ鶏むね肉を、サラダ油でさっと炒めただけのもの。料理酒でしっとり仕上がったものが油でコーテイングされているため、解凍後もパサつきが気になりません。味がついていないので、どんなレシピにも自由にアレンジがきく一品です。
砂糖・塩・料理酒をもみ込んで電子レンジで加熱し、サラダチキンにするのもいいでしょう。サラダだけでなく、パスタやサンドイッチ、スープなどいろいろな料理に使えて便利です。もちろん、完全に調理してしまったあとの鶏むね肉も冷凍が可能です。チキンナゲットやタンドリーチキンなどを作る際には、多めに作って冷凍しておくと、あと一品というときに助かります。
調理済みのものは、製氷トレーにお弁当用カップを並べて小分けにしておくと、自家製冷凍食品にもなりますよ。
鶏むね肉を解凍するときのポイント
鶏むね肉を解凍するときのポイントは、「いかに水分(ドリップ)を出さないか」でしょう。ドリップには、水分だけなくうまみや栄養も詰まっているため、みずみずしさが失われるだけでなく、味や栄養も低下してしまうのです。
なるべくドリップを出さずに解凍するためには、「できるだけ低温でゆっくりともとの温度に戻していく」ことが大切です。
流水解凍
冷凍した鶏むね肉を手早く解凍したいときには、流水解凍がおすすめです。冷たい流水にさらしながら解凍することで、温度変化を抑えつつ溶かすことが可能です。ボウルに冷凍鶏むね肉をフリーザーバックのまま入れて、冷たい流水にさらします。重めのお皿などで肉におもしをのせて肉全体が常に水に浸かっている状態をキープしましょう。
解凍時間の目安は100gにつき5~7分ではありますが、寒い冬にはかなりの低温になることも考えられ、水温が低くなるほど解凍時間は長くなります。水温が低い場合は時間に余裕を持たせて解凍を始めるようにしてください。
フリーザーバックは厚めに設定されてはいますが、万が一傷がついている場合には浸水して肉が水に浸かってしまうことも考えられます。ゆで汁ごと冷凍している場合にはせっかくのだしが流失してしまう可能性もありますので、流水にあてる前に、フリーザーバックをさらに新しいポリ袋にいれて二重にしておくと安心です。
冷蔵庫解凍
鶏むね肉の解凍方法としてもっとも理想的なのは、冷凍庫で自然解凍することです。ほかの方法と比べると時間はかかってしまいますが、品質面、安全面ともに安心度の高い方法です。一般的な家庭用冷蔵庫の冷蔵室は2~6℃に設定され、扉の開け閉めによる影響はあるものの、急激に大きな温度変化が起こる心配はありません。安定して低温を保てる環境だといえるでしょう。確実に低温を保てるため、解凍後もそのまま1~2日は保存できる点も魅力です。
チルド室があれば、積極的に活用しましょう。冷蔵室よりも低温の0℃前後をキープするため、よりドリップを抑えた解凍を実現します。
基本的には、調理で使う6時間程前に鶏むね肉を冷蔵後に移すだけですが、低温解凍といえども多少のドリップは出ますので、冷蔵庫に移す際にラップをはがしてペーパータオルで包みなおしてフリーザーバックに戻しておくのがおすすめです。染み出たドリップをペーパータオルが瞬時に吸収してくれるため、臭みが肉に残りにくくなりますよ。
朝の調理で使いたいときには前日の夜に、夜に使いたいときには当日の朝に冷蔵庫に移しておくと、最適なタイミングで解凍できるでしょう。
レンジで解凍
流水解凍の時間も待てない、という場合に思いつくのがレンジでの解凍ですが、実はあまりおすすめできない方法です。レンジ加熱では解凍ムラが起こりやすく、コツをつかむまでは上手に解凍できないことが考えられます。
また、温度変化が激しいことから、ドリップも多くでてしまいます。どうしてもという場合にのみの使用にとどめておいたほうがよいでしょう。
使用する際には、オートモードではなく、解凍機能を使いましょう。ときどき向きを変えたり裏返したりしながら進めると、解凍ムラが防ぎやすいようです。レンジ解凍では、加熱のしすぎに注意してください。加熱しすぎると細菌の繁殖が促されてしまい、食中毒の危険性が高まります。中心部はまだ固いくらいの半解凍にしてから、加熱調理でしっかり火を通すようにしましょう。
常温解凍
鶏むね肉では、常温解凍はやってはいけない解凍法です。
常温での解凍は、レンジで解凍する場合よりは温度変化がゆるやかなように思えますが、実は肉への熱の加わり方が好ましくありません。鶏むね肉を常温においた場合、肉の表面から変化が起こります。内部は凍って冷たいまま、表面だけがどんどん温度が上昇していく状態は、細菌がもっとも活動しやすい環境なのです。特に夏場の暑い時期には、腐敗につながる恐れまで考えられます。鶏肉はカンピロバクターという菌を保菌している食材で、肉類の中でもとくに取り扱いに注意が必要な種類です。解凍においても、安全性が高い方法を選んでおくのが安心です。鶏肉の常温解凍は厳禁だということはしっかりとおさえておきましょう。
冷凍した鶏むね肉の保存期間
鶏むね肉は、生のまま適切に冷凍した場合で2~3週間、下味をつけるなどの加工を施してから冷凍した場合には3~4週間くらいが安全に保存できる目安です。冷凍すると細菌の繁殖は抑えられますが、冷凍している間にもうまみや風味の低下は進んでいます。肉に含まれる脂肪分が酸化してしまったり、水分が蒸発してしまったりすることで起こる「冷凍焼け」の心配もあります。
冷凍しておけば日持ちするようになるとはいえ、鮮度が保たれた状態でおいしく食べられるのは2週間以内と考えておくとよいでしょう。いつ冷凍したものかわからなくならないように、フリーザーバックに日付を書くことを習慣づけておくとよいかもしれませんね。
上記はあくまで目安で、下処理の状態や冷凍庫の開け閉めによる温度変化によっても左右されます。取り扱いに注意が必要な鶏肉は、他の種類の肉より優先的に消費するようにするなどの工夫も必要でしょう。
鶏胸肉のアレンジレシピ(ケノコト既存レシピから5つ)
メイン食材は2つ『味噌だれゆで鶏』と『鶏だしスープ』
ビールにぴったり 『タンドリーチキン』
薄く叩いてカリカリ食感♪鶏むね肉で「台湾風唐揚げ」
唐揚げに飽きたら…子どももリピート『オーロラチキン』
揉みこむから、むね肉でもしっかり味が入る『鶏むねと京菜のごまだし和え』
まとめ
淡白な味わいでヘルシーな鶏むね肉は、幅広いレシピで使える便利食材です。低脂肪・低カロリーでありながらたんぱく質を豊富に含んでいるため、ダイエットや筋トレに励む人の食卓にも欠かせないでしょう。冷凍するとパサパサした食感になりがちですが、少しの工夫をすれば、解凍後もしっとりとした食感で楽しめるようになります。
お手頃価格で大量に売られていることも多い鶏むね肉を上手に冷凍・解凍して使えるようになれば、食費も抑えられるかもしれません。家計にも身体にもやさしい鶏むね肉を、より美味しく、長く活用していきましょう。
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