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食のコト 2021.09.10

ローストビーフを美味しく長持ちさせる冷凍・解凍方法

特別な日にあるとうれしいローストビーフは、内部が赤いため、余ってしまったときには保存してよいのか悩んでしまうことも多いでしょう。実は、ローストビーフは冷凍保存が可能です。長く美味しく保存できる冷凍・解凍方法を知っておきましょう。

ローストビーフの冷凍保存方法


ローストビーフはもともと大きなブロックで仕上げる料理ですが、スライスカットして食卓に並べることもあるでしょう。ブロックでもカットしたものでも冷凍可能です。それぞれ冷凍保存方法をチェックしておきましょう。

ブロックで冷凍

ローストビーフをブロックで冷凍したい場合でも、一回で食べきれる量まで切り分けるようにしましょう。一度で消費しきれない大きさのまま冷凍してしまうと食べたい分量だけ解凍することが難しく、結局余らせてしまうためです。
ここで注意したいのは、「できるだけスライスカットは避ける」ことです。ローストビーフは断面から乾燥しやすく、乾燥が進むと風味や食感の劣化につながったり旨味が落ちたりするといわれています。ただでさえ冷凍庫内は乾燥しやすい環境ですので、できるだけ断面は最小限に抑えて冷凍保存しておき、解凍後の食べる直前にスライスするのがおすすめです。

①一回で食べきれる量のブロックに切り分ける

②表面の水分をペーパータオルでふき取る
 水分が残っていると、解凍後に水っぽくなっていまいます。

③ひとつずつぴったりとラップで包む
 空気が入らないように注意しましょう。

④冷凍用保存バックに入れ、しっかり空気を抜いて口を閉じる
 ストローで空気を吸い出しながら口を閉じていくのが理想的です。

⑤金属製のバットにのせて冷凍庫へ入れる
 熱伝導率の高いアルミやステンレスにのせると、家庭用冷凍庫でも急速冷凍が可能です。バットがなければアルミホイルで巻いてもよいでしょう。冷凍にかかる時間を少なくするためには、開け閉めが少ない時間帯に冷凍室に入れたり、開け閉めによる温度変化の影響が少ない奥の方に保存したりするのも有効です。

カットして冷凍

すでにスライスカットされたローストビーフを冷凍したい場合でも、冷凍保存は可能です。ただし、先ほど紹介したとおり、断面が多いほど乾燥しやすいことから、手間はかかりますが一枚ずつぴったりとラップで包み、なるべく空気に触れさせないことが美味しさをキープするポイントです。

①一枚ずつぴったりとラップで包む
多量の場合には、肉と肉の間にラップを挟みながら、一回で食べきれる分量ずつひとかたまりにしてもよいでしょう。なるべく断面を空気に触れさせない工夫は必須です。

②ブロックを冷凍するときと同様に、冷凍用保存バックにいれてしっかり空気を抜き、金属製のバッドにのせて冷蔵庫で急速冷凍する
万が一、解凍後に固さやゴワゴワした食感があったり風味が落ちたと感じたりした場合には、カレーやスープといった煮込み料理に使用するのがおすすめです。食感や味の変化は乾燥によるものですので、水分の多い料理で煮込むことで美味しく食べられるようになりますよ。

冷凍ローストビーフの酸化を防ぐ保存方法


ローストビーフを美味しく長持ちさせたいときに最も気をつけなければならないのは、酸化です。いかに酸化を防ぐことができるかが、美味しさをキープさせる秘訣でしょう。酸化とは、空気中の酸素に触れることでローストビーフの成分が変質することで、ローストビーフに限らず肉類を保存する際には特に避けたい現象です。酸化してしまった肉は茶色く変色し、味が落ちてしまいます。酸化は、真空状態やそれに近い状態で冷凍することで防ぐことが可能です。酸化を防ぐ冷凍保存のためには、

・表面の水分をふき取ること
・密封して空気を遮断すること

が重要です。

【表面の水分をふき取る】
表面の水分は、解凍後の水っぽさの原因になるばかりではありません。雑菌を繁殖させたり、臭みの原因になったりすることもあるのです。

【密封して空気を遮断する】
真空パックにできるフードシーラーがあれば理想的です。
フードシーラーがない場合には、ラップやアルミホイルでローストビーフの断面をぴったりと包んで冷凍用保存バックに入れ、さらに空気を抜きます。さきほど紹介したように、ストローで空気を吸い出しながら口を閉じるのがおすすめです。

冷凍ローストビーフをおいしく食べるための解凍方法


冷凍した食材を解凍するときに電子レンジの解凍モードを利用する人もいるかもしれませんが、ローストビーフの解凍では、電子レンジ解凍は避けましょう。解凍ムラができやすい電子レンジ解凍では、箇所によっては火が通り過ぎてしまう可能性があり、内部の赤身が旨味であるローストビーフの解凍には向きません。
おすすめの解凍方法は「冷蔵庫解凍」「氷水解凍」です。

冷蔵庫で解凍

冷凍したローストビーフを美味しく解凍するためには、「ゆっくりと時間をかけて解凍する」ことが理想です。時間をかけてゆるやかに元の温度に戻していくことが、ローストビーフの旨味を逃さない解凍のコツでしょう。
最適な解凍方法としておすすめなのは、冷蔵庫でゆっくりと解凍することです。ブロックは半日、スライスしたものであれば45分から1時間もあれば解凍できます。食べたい日の前日に冷蔵庫に移しておけば当日にはほどよく解凍されているため、あとは切るだけという手軽さもうれしいポイントです。
温かいローストビーフを食べたいという場合には、食べる少し前に冷蔵庫から取り出し、常温に戻しておくとよいでしょう。お皿をお湯などで温めてからのせるのもひとつの手ですね。

氷水で解凍

前の日に冷蔵庫に移し忘れていたり、急に必要になったりする場合もあるでしょう。そんなときには氷水で解凍するのがおすすめです。
氷水は約-2℃で冷蔵庫に近い温度ですが、水は空気よりも熱伝導率が高いため、冷蔵庫に比べてかなりスピーディーな解凍が実現します。
ボウルに氷水を張り、ローストビーフを保存バックのまま沈め、おもりをのせます(お皿などで大丈夫です)。このとき、万が一保存バックに穴が開いていると水浸しになってしまいますので、保存バックの上からさらにポリ袋を重ねておくと安心でしょう。
解凍時間の目安は1kgあたり約2時間です。様子を見ながら氷を足して0℃前後をキープすることを忘れないようにしましょう。
氷水を作ろうと思ったのに氷がなかった、という場合には、水を張った金属製のボウルにローストビーフを入れ、冷蔵庫に入れて解凍するという方法もあります。保存バックのまま冷蔵庫に移すだけのときよりはスピーディーに解凍できますよ。
ちなみに、氷水で解凍している間にローストビーフを入れた袋の表面に薄い氷が張ってくることがありますが、この氷はローストビーフの表面温度を最適に保つよいアシストとなりますので、無理に落とす必要はありません。

熱湯で解凍

冷凍したローストビーフを美味しく解凍するためには、急な温度変化を避けてゆっくりと元の温度に戻すことが鉄則です。基本的には冷蔵庫解凍、次いで氷水解凍がおすすめなのですが、氷水解凍の時間も待てないほど急ぎの場合には、電子レンジで解凍するよりは、熱湯で解凍する方法のほうがよいでしょう。
氷水のときのように、ボウルに熱湯を張って保存バックのままローストビーフを沈め、おもりをのせます。この方法であれば、10~20分で解凍が可能です。
ただし、この方法ではどうしてもローストビーフの赤身が持つ風味や旨味がある程度損なわれてしまうことは覚悟しなければいけません。さらに、急な温度変化によりドリップがでてしまうことも予想されます。電子レンジ解凍よりは・・・・・・程度の緊急措置的な知識として留めておくようにしましょう。

冷凍したローストビーフの保存期間

冷凍したローストビーフの保存期間の目安は、カットの方法によって異なります。
食べやすい大きさに切り分けてブロックで冷凍した場合には、約1ヵ月保存が可能です。
断面の表面積が広く、酸化や乾燥が進みやすいスライスカットで冷凍した場合には、2~3週間を目安に食べきるようにしましょう。
真空パックにできるフードシーラーを使用した場合には、さらに長く保存することが可能です。
上記はあくまでも保存か可能な期間です。ローストビーフは冷凍している間にも風味が落ちていきますので、なるべく早く消費するほうが美味しく食べられると考えておいてください。
ローストビーフに限らず、食品を冷凍する際にはいつ冷凍したのかが分かるように保存バックの表側に冷凍庫に入れた日にちを書き込んでおくのがおすすめです。加えて保存期間から逆算した消費期限まで記載しておけば、「せっかく冷凍保存したのに使いそびれてしまった」ということも少なくなるかもしれませんね。

その他の保存方法でのローストビーフの保存期間

冷凍保存した場合と同様に、ローストビーフはスライスした状態とブロックの状態で保存期間の目安が異なります。また、市販のローストビーフの場合にはパッケージに記載されている消費期限を参考にしましょう。

常温の保存期間

ローストビーフは、常温保存には向いていません。ローストビーフに適した保存温度は「4℃以下」だといわれています。
常温では雑菌が繁殖しやすく、特に夏場は暑さや湿気で傷みが急速に進みます。衛生面だけでなく、おいしく食べるという意味からも常温保存では味が落ちやすいことから、ローストビーフの常温保存は避けた方がよいでしょう。
どうしても数時間だけ常温保存しなければならない場合には、表面の水分をキッチンペーパーでしっかりとふき取り、空気に触れないようにローストビーフをラップでぴったりと包んだ上に保冷剤をつけ、できる限り劣化を防いでください。
この処置を施したとしても、保存方法としては極めて応急的なものであることには変わりなりません。なるべく早く食べきるか、冷蔵庫や冷凍庫に入れるように心がけましょう。

冷蔵庫の保存期間

ローストビーフを冷蔵庫で保存した場合の日持ち目安は、ブロックで3~4日、スライスカットでは2~3日です。
3日以内に食べきる場合であれば、解凍する必要がなく、食べたいときにすぐに取り出して食べることができる冷蔵保存が適しているといえるでしょう。ローストビーフを保存する時点でどのくらいで食べきるのかをはっきりさせておくと、最適な保存方法を選びやすくなります。
冷蔵庫で保存する際にも、酸化や乾燥を防ぐためにラップやアルミホイルでぴったりと包むことを忘れてはいけません。冷蔵庫内は非常に乾燥しやすい環境ですので、乾燥には特に注意が必要でしょう。
冷凍保存のときと同じように、扉の開け閉めによる温度変化の影響を受けにくい場所で保存できればより安心です。

チルド室の保存期間

チルド室がついている冷蔵庫であれば、冷蔵保存よりもチルド室での保存がおすすめです。0℃前後の温度をキープしているチルド室であれば、庫内が2~5℃に設定されている冷蔵室よりも肉の熟成が進みにくく、ローストビーフが劣化しにくいでしょう。
チルド室には扉がついていることが多い点も、うれしいポイントです。冷蔵庫の扉の開け閉めによる温度変化の影響を受けにくい上に、冷蔵庫内の他の食品からのにおい移りも防げます。
チルド室の0℃前後というのは、生鮮食品が凍る手前の温度です。冷凍保存とまではいかないものの、冷蔵保存よりも新鮮な状態を保ちやすい環境にあり、ローストビーフの保存期間の目安も1週間程度と冷蔵保存よりも長い期間美味しく楽しむことが可能です。
保存方法や注意点は冷蔵保存のときと同様です。チルド室の場合でも、断面が空気に触れる面積の大きいスライスカットのものは早めに食べきるように心がけてくださいね。

まとめ

高級感があり、テーブルを華やかにしてくれるローストビーフは、おもてなしにぴったりの料理です。上手に長く冷凍保存できれば、急な来客があったときにも便利でしょう。
内部の赤身が旨味であるローストビーフですが、赤身肉であることから、長期保存は難しいと思い込んで避けてきた人も多いかもしれませんね。
今回紹介したローストビーフの正しい保存方法や美味しく食べるための冷凍・解凍のコツを覚えておけば、特別な日やおもてなしの機会だけでなく、日常的にローストビーフを楽しむことも可能でしょう。
ローストビーフを上手に長く保存しながら楽しめるようになると、料理のレパートリーの幅も広がります。積極的にさまざまなアレンジレシピにも挑戦してみましょう。

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