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食のコト 2021.08.24

自宅でもおいしいラムチョップの焼き方とは?調理器具別の焼き方もご紹介!

近頃は飲食店だけでなく、スーパーなどでも見かけるようになってきたラムチョップ。「まだ自宅では調理したことがない」という人のために、自宅でもおいしくラムチョップを楽しむことができる焼き方を紹介します。

そもそもラムチョップってどんな肉?


ラムチョップは、仔羊の背中の部分、いわゆるロースと呼ばれる部位です。なぜ「ラムロース」でなく「ラムチョップ」と呼ばれるかというと、骨付きであるためです。“チョップ”には“叩き切る”という意味があり、骨を叩いて切るところから、「ラムチョップ」と呼ばれています。

“ラム”とは、生後1年未満の仔羊のことです(成羊になると“マトン”と呼ばれるようになります。羊肉の独特な臭みが苦手、という人も多いかもしれませんが、仔羊の肉にはあまり臭みがありません。草食動物が葉緑素を体内で分解する際には、「フィートル」という物質が生成され、蓄積されます。このフィートルこそがにおいの原因だと考えられており、成羊になるほど蓄積量も増えて臭みが強くなる、といわれています。

ラムチョップは高たんぱくで多くのビタミンを含んでいることから、女性やアスリートからも人気の高いお肉です。さらには、脂質をエネルギーに変えるLカルニチンも豊富に含まれているため、ダイエット中でも気にせず食べられますね。

ラムチョップは体を温める「温性」

薬膳の世界では、ラム肉は温性(身体を温める)食材とされ、モンゴルなどの寒い国ではメイン食材になっています。薬膳では、食品を「五味(ごみ)」「五性(ごせい)」「帰経(きけい)」で表します。

【五味】酸っぱい・苦い・甘い・辛い・塩辛い
【五性】熱性・温性・平性・涼性・寒性
【帰経】食材が身体のどの部分に影響があるかを示す

羊肉は、五味は「甘」、五性は「熱」、帰経は「脾・腎」です。
実は、五性が「温性」の食物はたくさんあるのですが、中でも「熱性」というのは珍しいのです。それほどまでに体を温める食物だということですね。

ラムチョップを焼く際のポイント


ラムチョップの魅力は柔らかい肉質なのですが、焼き過ぎると固くなってしまうため、焼き方にはちょっとしたコツが必要です。柔らかくジューシーに仕上げるポイントを確認していきましょう。

焼く前に常温に戻す

冷蔵庫から出したばかりのお肉は、芯までよく冷えた状態です。すぐにフライパンで焼いてしまうと外側だけに急速に火があたってしまい、中までよく火が通るまえに表面が焦げてしまいます。

火を均一に通すためには、調理する30分ほど前には冷蔵庫から取り出し、常温に戻しておくのがポイントです。夏場でも直射日光をさけた涼しい室内で常温に戻しますが、気温が高すぎるような場合には様子をみながら調整しましょう。

「お肉を常温に置く」というイメージがない人もいるかもしれませんが、実は、ラムチョップに限らず厚めのお肉を焼くときに共通するポイントです。「厚手のお肉を上手に焼けない」と悩む多くのひとが、この「常温に戻す」工程を省いているようです。ステーキなど厚手のお肉を焼く際にも試してみてくださいね。

下味をつける

なんとなく自己流で済ませてしまいがちな下味のつけ方ですが、プロの料理人のなかには「お肉を生かすも殺すも下味次第」と考えている人も多い、重要な工程です。この機会に、正しい下味のつけ方をマスターしておきましょう。

プロおすすめの下味調味料

そもそも「下味をつける」という工程はなぜ必要なのでしょうか。第一には、風味をつけたり食感をよくしたりと“料理の仕上がりをよくするため”です。
もうひとつの目的として挙げられるのは、“保存のため”で、塩分や調味料によって食品を日持ちさせる効果が期待できます。

新鮮なお肉をすぐに調理する場合、保存について考える必要はありません。特に、上質な素材を扱う場合や素材そのものが持つ風味を楽しみたいときには、強い味つけは素材のよさを殺すことにつながりかねません。素材や味わい方など、状況をみて調味料の種類や使用量を変える必要があるのです。

新鮮なラムチョップの場合、あまり臭みがないことがほとんどで、レストランなどでも塩コショウと少量のハーブやオリーブオイル、ガーリック、などだけで焼いて提供されていることも多いそうです。なかでもハーブはとくにラム肉と相性がよい食材として知られていて、店頭でラム肉を購入した際にも、ハーブソルトが添えられていることが少なからずあります。ついていない場合でも、手持ちの塩に少しオレガノを加えるだけでもぐんと香りがよくなりますよ。

塩は肉の重量の1%

目分量で振りかけていることも多い“下味のための塩”ですが、科学的な理由から「肉の1
%」が理想的だとされています。お肉の下味として塩を振る目的は、「浸透圧」による効果です。適度な塩分を振りかけたときには、肉の旨味を最大限に引き出してくれます。

“適度な塩分”の目安は、人の体内塩分濃度です。体液(組織液)の塩分濃度は0.9%と決まっていて、「高過ぎても低過ぎても細胞は生きられない」とされています。生きている人の体の細胞を維持する塩分量0.9%が理想ですが、味つけの場合には1%を目安にしたのでかまいませんので、面倒なようでもきちんと量るようにしましょう。
無意識に使う塩の量よりもかなり少ないことに驚かされます。

下味は直前につける

下味をつけるタイミングは、焼く直前がベストです。お肉に塩を振ると、浸透圧の効果で水分が表面に浮き出てきます。この水分こそが、お肉の旨味とジューシーさを保つ秘訣です。長時間放置して水分がどんどん奪われてしまうとパサパサと味気のない食感になってしまいますので、下味をつけるのは焼く直前、が鉄則です。
ハーブソルトの場合、「ハーブの香りをラムチョップに染み込ませたい」との思いから早めに振ってしまう人もいるかもれません。しかし、新鮮なラムチョップであれば、ほんのり風味がつく程度が一番ラムの旨味を楽しむことができます。浸透圧で水分が抜けすぎる前に、焼きの工程に移るようにしてくださいね。

側面の脂身から焼き始める

厚みのないラムチョップを焼くときには、風味づけのためにオリーブオイルを使うこともありますが、厚い脂身がついていることが多いラムチョップでは、基本的にはフライパンに油をひく必要はありません。側面にある脂身を下にして焼きはじめましょう。

ラムチョップの旨味を逃さないコツは、「表面を強火で焼き上げる」ことです。表面にしっかり焼き目をつけるため、フライパンの上に立てるように固定して焼き上げます。倒れやすい場合には、トングでしっかりとはさみフライパンに押し当てながら焼きましょう。

ラムチョップの先端を焼くときには、フライパンのふちを利用するのがおすすめです。ふちに骨をのせると先端がちょうどフライパンの表面に当たります。
ここでしっかり余分な脂を落としておくと、さっぱりとした味わいに仕上がりますよ。

広い面を焼くときはラムチョップを動かさない

先ほど紹介したとおり、ラムチョップの表面には強火でしっかりと焼き色をつけたいため、一度フライパンに入れてからは「あまり動かさない」ことが大切です。側面が焼けると、続いて広い面を焼いていくわけですが、広い面を焼き始めたとたん、頻繁にひっくり返したりフライパンをゆすってみたりする人が多いようです。おそらく、均等に火を通したいためだと思われますが、動かすと焼き目が剥がれてきれいな焼き色がつきにくいだけでなく、焼き目が剥がれたところから水分や旨味が流れ出やすくなってしまいます。

広い面を焼き始めて4分はなるべく動かさずに待ち、表面に少し肉汁がでてきたら、ひっくり返してさらに1分、動かさずに焼きましょう。

焼き上がりは中がローズ色になったとき

ラム肉を家庭で料理するとき、もっとも判断が難しいのは「焼き上がりのタイミングはいつなのか」ということでしょう。焼き過ぎると固くなるとはいえ、生焼けではないかと心配しながら食べるのでは安心して楽しむこともできませんね。

ラムチョップの焼き上がりの目安は、「中がローズ色になったとき」です。生のラム肉は濃い赤色で、熱が通っていくとだんだんピンク色からローズ色へと変化していきます。
ラムチョップを指で少し押してみたときに弾力を感じるくらいが、火を止めるちょうどいいタイミングです。ラム肉は、牛肉と同様に肉類のなかでは寄生虫の危険性が低く、レアで食べても問題ないとされているお肉ですので、ある程度まで熱が通ったら火から下ろし、あとは余熱でじんわり内部に熱を通していきます。

アルミホイルで包んで休憩させる

火を通し過ぎると固くなるラムチョップの内部には、余熱で火を通すのがもっとも効率的です。なかでも、肉汁の流失を抑えながら、余熱を効果的に閉じ込めることができることでおすすめの方法が、アルミホイルで包んでラムチョップを“休憩させる”方法です。
火からおろしたラムチョップをアルミホイルでふんわり包み、まだ温かいコンロのそばなどに置いて5分ほど休憩させます。
“休憩”という言葉を使っているのには理由があります。焼いたお肉の肉汁は、火から下ろしたときにはまだ落ち着いておらず、肉の中を駆け巡っているような状態です。火から下ろしてサウナ状態にして休ませることで、中まで火を通すと同時に、肉汁も外に流出することなく内部にとどまり、落ち着いていくのです。

調理器具別 おいしいラムチョップの焼き方


ラムチョップはさまざまな調理器具を使って焼くことができるお肉です。シチュエーションや好みに合わせてチョイスできるのもうれしいポイントです。

フライパンを使ったおいしいラムチョップの焼き方

熱したプライパンにお肉をのせると、ジューッとおいしそうな音が上がります。このとき、お肉とフライパンの間では「メイラード反応」と呼ばれる“糖とアミノ化合物を加熱したときに見られる反応”が起こっています。お肉の他には、トーストのカリッとした表面やコーヒー豆の焙煎などでもみられる、“旨味反応”といっても過言ではないものです。

フライパンでメイラード反応を起こすためには、フライパンを煙が上がるくらいまでしっかり熱しておくことがポイントなのですが、一般家庭に多いテフロン加工のものの場合、空焚きは厳禁とされているため注意が必要です。テフロン加工のフライパンを使う場合には、中火からじっくりと温度を上げていくようにしてくださいね。

安定して高い温度で焼くことができるステンレススチールかキャストアイアン製のフライパンがあるようでしたら、積極的に活用しましょう。

オーブンを使ったおいしいラムチョップの焼き方

オーブンを使ってはラムチョップを焼く場合には、材料をセットして入るだけ。あとは焼き上がるのを待つのみです。
クッキングシートを敷いた天板にラムチョップを並べたら、200℃のオーブンで20~30分焼きます。ラムチョップの厚さによって火の通り方は変わってくるため、様子を見ながら焼きましょう。お好みの野菜も一緒に入れておくと、つけあわせも同時に作れます。
カリッとした表面を楽しみたい場合には、フライパンで表面に焼き目をつけてからオーブンでじっくりと焼き上げるのがおすすめです。

グリルを使ったおいしいラムチョップの焼き方

家庭用の魚焼きグリルでもラムチョップを焼くことが可能です。失敗なしでお手軽なことからも人気の高い方法です。
網の上に並べたら、片面3~4分ずつ焼きます。両面焼きグリルの場合には、ひっくり返さずそのまま8分を目安に焼きましょう。焦げそうな場合には、肉の上にアルミホイルをかけるとよいでしょう。火を止めたら、そのまま放置して休憩させるのがポイントです。
グリルを使えば、強火で肉の脂を落としながら焼けるため、風味がよく、ラム肉のくせもあまり感じません。スキレットに入れて焼くとグリルが汚れず後片付けが楽ですよ。

バーベキューで使えるおいしいラムチョップの焼き方

骨付きのままで豪快に食べられるラムチョップは、バーベキューにもうってつけの食材です。みんなで焼いて食べる、というシチュエーションでは、よりおいしくいただけますね。
野外でバーベキューをするときには、お肉はクーラーボックスに入れて持ち込むことが多いでしょう。クーラーボックスの場合でも、しっかりと常温に戻してから焼くのがおいしさの秘訣です。真夏の炎天下の場合には、時間を短めにして日陰やテントの中などに置くようにしてくださいね。
バーベキューコンロの火が強い場所で表面を焼き上げたら、火の弱い場所に移して網の上で休憩させてもよいでしょう。炭火には遠赤外線効果があり、お肉はしっとりと焼き上がりますので、他の調理器具とは一味違ったラムチョップを楽しめるのも魅力です。

 

まとめ

ビストロなどで提供されるラムチョップもおいしいものですが、新鮮なラムチョップが手に入った場合には、今回紹介したコツをおさえて家庭で焼いてみるのもおすすめです。
豪快で華やかなラムチョップは、パーティーやお祝いの席でもテーブルを飾ってくれることでしょう。ラムチョップの焼き方をマスターすれば、ワンランク上のホームパーティーが楽しめるかもしれませんね。

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