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食のコト 2021.09.01

自宅でもおいしいシャトーブリアンの焼き方とは?調理器具別の焼き方もご紹介

牛肉の “幻の部位”とされ、破格の扱いを受けているシャトーブリアン。手に入ったときには「うれしいけど自宅で上手に焼けるか不安」という人も多いでしょう。自宅でもシャトーブリアンのおいしさを最大限に引き出せる焼き方を知っておきましょう。

そもそもシャトーブリアンとはどんな肉?


シャトーブリアンとは、一頭の牛からわずか600~800gほどしか得ることができないことから“幻の部位”と呼ばれる希少部位です。
部位別の市場価格の相場を見てみると、海外においてはリブロースの芯にあたる「リブアイロール」が最高価格となっていますが、日本国内ではリブアイロールはほとんど出回っていないため、シャトーブリアンが最高価格の希少部位とされています。

【“幻の部位”と呼ばれるわけ】
そもそも、シャトーブリアンは「ヒレ(テンダーロイン)」の一部です。ヒレ肉自体、一頭の牛から3〜5%ほどしか取れない希少な部位として知られていますが、そのなかでも中央部の最も厚みがあり肉質のよい中心部分であるシャトーブリアンは、“極めて希少な部位”として扱われています。

【シャトーブリアンの特徴】
シャトーブリアンはただ希少であるばかりではありません。ヒレ肉は運動量が少ない部位であるため「肉質が柔らかい」ことが特徴ですが、さらに中心部にあたるシャトーブリアンの柔らかさは“歯がいらない”と表現されるほどなのです。

人でも同じことがいえるのですが、筋肉は、よく動かせば動かすほど強くかたくなり、あまり動かない部位ではどんどん柔らかくなっていきます。シャトーブリアンは牛の体の中で最も運動量の少ない部位のため、非常に柔らかいのです。
ヒレ肉も運動量が少ないのは同じですが、中心部にあるシャトーブリアンはさらに肉質が良く、どこを食べても同じ味と柔らかさであることも特徴的です。

また、通常であれば柔らかな肉は霜降り肉のように赤身の間に脂身が混在することが多いのですが、シャトーブリアンは赤身肉であるにも関わらず脂肪が少なく食べやすいのも人気の秘密でしょう。
舌触りの上品さと繊細さから、ワインと一緒に味わうとさらに魅力が増すといわれています。

【シャトーブリアンの名前の由来】
シャトーブリアン、なんて牛肉の部位にしては変わった名前だと思う人も多いかもしれませんね。それもそのはず、シャトーブリアンは、フランス革命時代の貴族「ランソワ・ルネ・ヴィコント・ドゥ・シャトーブリアン」の名前に由来しているとされています。
美食家であった彼はそのおいしさに惚れ込み、料理人に命じて良質の牛肉ばかりを調理させたそうで、ついには彼の一番好んだヒレの中心部が「シャトーブリアン」と呼ばれるようになったといわれています。

美食家がそれほどまでに愛したお肉、ということですね。

シャトーブリアンはご家庭でもおいしく焼ける

希少部位であり、高級食材であるシャトーブリアンをお店で食べようと思っても簡単には手が届かない・・・・・・という人も少なくないでしょう。レストランで頼むと高価なシャトーブリアンも、ネット通販などを使えば比較的手軽に手に入れることが可能です。高価なお肉を焼くと思うと少し構えてしまいますが、ポイントをしっかりと押さえれば、ご家庭でもシャトーブリアンをおいしく焼き上げる事ができます。

シャトーブリアンのおいしい食べ方としては、焼肉やバーベキュー、ローストビーフなどが挙げられますが、シャトーブリアンの魅力を最大限に引き出すのであれば、やはりステーキが一番おすすめです。ステーキによく使われ、 “ステーキの王様”と称される部位に「サーロイン」がありますが、シャトーブリアンは、“ステーキの女王”と呼ばれ、サーロインと並んで人気を集めています。

お店であれば赤ワインのブルゴーニュタイプと合わせることが多いようですが、自宅であれば、好きなお酒と合わせて自由に楽しむことも可能です。おすすめは、日本酒の大吟醸。すっきりした味わいがシャトーブリアンの上品さを引き立てくれますよ。

シャトーブリアンをおいしく焼くための下準備


ここからは、自宅でシャトーブリアンをおいしく焼く方法を確認していきます。
シャトーブリアンのような厚切り肉を上手に焼くためには、焼く前の下準備が重要です。工程数が少ないシンプルな調理方法だからこそ、下準備が仕上がりに与える影響力は大きいのです。プロの中には、「お肉を活かすも殺すも下準備次第」という人もいるほどですので、しっかりとおさえておきましょう。

常温に戻しておく

お肉を焼くときの最大のコツともいえるのが、「常温も戻してから焼く」ということです。実は、自宅で上手にお肉が焼けない、という人の多くが、この工程を飛ばしてしまっているのです。

お肉を冷蔵庫から出してすぐに焼いてしまうと、芯まで冷えた状態から焼き始めることになります。芯まで火を通すためにはじっくり火を通したいところですが、中に火が通るころには、表面が焦げ始めてしまうでしょう。

厚み1cm程度のお肉であれば30分、2㎝以上の厚みがある場合には1時間前を目安に冷蔵庫から取り出し、直射日光のあたらないところにおいておきます。このひと手間がお肉の熱の伝導率を上げ、焼きムラを防ぐことにつながります。

夏場の暑い時期には、室温に気をつけながら時間を短めにするなど調整してくださいね。

表面の水分を拭き取る

お肉を解凍するときや常温に戻すとき、透明な赤い液体が染み出ているのを目にしたことはないでしょうか。これは、「ドリップ」と呼ばれるもので、正体は食品中の組織液です。

ドリップの主な成分はたんぱく質で、お肉のうまみ成分も多く含まれています。たくさんドリップが出てしまうと、その分うまみも流出してしまうということで、ドリップはお肉の栄養が低下する原因とされています。同時に、お肉に含まれる水分が抜けてしまうということですので、調理後の食感がパサつく原因にもなります。
ドリップは栄養の多く含まれる水分であることから、雑菌が繁殖しやすい環境だといえます。お肉の表面にドリップが残ったまま調理を進めてしまうと生臭くなってしまうのはこのためです。

さらには、表面に水分があると油がはねたり下味が染み込みにくくなったりすることもあるため、焼く前に水分をしっかり拭き取っておくことが大切です。

塩コショウは焼く直前に振る

シャトーブリアンを焼くときには、塩コショウのタイミングも極めて重要です。塩コショウを振るのは「焼く直前」を徹底しましょう。

塩にはお肉のうまみを引き出す効果がありますが、一方で、浸透圧によって余分な水分も染み出してしまいます。塩を振ってから時間が経ってしまうと、水分とともにうまみが流れ出てしまいますので、直前に振るのがベストです。コショウも、お肉を焼く直前であれば香りがよく生きます。加熱時に塩コショウが落ちないように手でていねいに揉み込み、お肉に馴染ませるのがポイントです。

下味をつけると同時に、フライパンを温めておくと調理時間の短縮にもなりますよ。

シャトーブリアンおすすめの焼き加減

お肉の焼き方は、細かく分けると10種類ほどもあるのですが、一般的には「レア」「ミディアムレア」「ウェルダン」の3種類が定番です。

【レア】
表面には焼き目がついているが、中央部分はお肉の赤さが残っている状態。芯の部分には生というわけではなく、熱のみがじんわりと伝わっている。

【ミディアムレア】
お肉の中央部分にやや赤みが残り、熱の通った茶色とサンドされている状態。「中焼き」とも呼ばれる、ステーキ界では最もポピュラーな焼き加減。

【ウェルダン】
表面から中心部までしっかりと火が通り、赤い部分がない状態。「よく焼き」とも呼ばれる。

お肉のやき加減は好みの分かれるところではあるのですが、シャトーブリアン本来のおいしさを堪能したいのであれば、あまり火を通さない「レア」か「ミディアムレア」あたりがおすすめです。

実は、お肉は生であればあるほど噛み切るのが難しいといわれています。加熱することでタンパク質が固まっていき、歯でサクッと噛み切れるようになるのですが、シャトーブリアンの場合、レアであっても噛み切るのに十分な柔らかさを備えているため、表面をカリッと焼き上げるだけでもおいしく楽しむことができるのです。

シャトーブリアン焼き方のポイント

下準備ができたら、いよいよシャトーブリアンを焼いていきましょう。きめが細かい部位であるため、加熱温度や時間によってはお肉が固くなってしまいます。手順をしっかり確認しておきましょう。

両面はこんがりと焼く

さっと焼くだけでも柔らかく味わえるシャトーブリアンなのですが、表面はこんがりと焼き目がつくまでしっかり焼くのがおすすめです。素早く両面を焼き固めることによって肉汁が流れ出ることを防ぎ、うまみを内部に閉じ込めます。

まずはフライパンを180℃前後(煙が上がるくらい)までよく熱し、牛脂(なければサラダ油)を入れます。油を馴染ませたらシャトーブリアンを置き、強火で表面にこんがりと焼き色がつくまで焼きます(レアは約 30秒、ミディアムレアは約1分が目安)。焼き色がついたら、裏返してもう片面も同様に焼き固めます。

シャトーブリアンはとても繊維が柔らかく形崩れしやすいため、「ひっくり返すのは一度だけ」が鉄則です。

アルミホイルで包んで寝かせる

焼き上がったらすぐに切り分けて盛り付けたいところですが、ここはグッと我慢です。
焼きあがってすぐのお肉の内部では、まだ肉汁が落ち着かず、いわば「うまみが暴れまわっている」状態です。ここで切ってしまうと肉汁とともにうまみが流れ出てしまうため、お肉を“寝かせる”必要があるのです。

寝かせている間に肉汁が流れ出ることを防ぐためには、アルミホイルで包むのがおすすめです。また、アルミホイルで包んでサウナ状態にすることで、余熱を効率的に内部に届けることも叶います。

シャトーブリアンを火から下ろしたらアルミホイルで包み、まだ温かいコンロの近くなどで2~3分ほど寝かせましょう。

調理器具別おいしいシャトーブリアンの焼き方


自宅でシャトーブリアンを焼く際にはさまざまな調理器具が活用可能ですが、注意したいのは「火力」についてです。調理器具ごとの火力に合わせたおすすめの焼き方を紹介していきましょう。

フライパンを使ったシャトーブリアンの焼き方

シャトーブリアンを焼くためには、熱伝導率の高い素材でできた厚手のフライパンを使用するのが理想的です。厚手のフライパンを使うことによって温度を均一に保つことができるため、シャトーブリアンの表面をムラなく効率的に焼き上げるが可能です。

家庭用の一般的なフライパンでもおいしく焼くことは可能ですが、ひとつ注意しておきたい点があります。

シャトーブリアンを焼き始める前にはフライパンをよく熱しておくことが大切なのですが、テフロンなどでコーティングされているフライパンの場合、高温に弱いために高温での空焚きは禁じられていいます。テフロン加工のフライパンを使うときには、中火からじっくりとフライパンを温め、ゆっくりとフライパンの表面温度を上げた上で強火にしてからシャトーブリアンをのせるようにしてくださいね。

炭火を使ったシャトーブリアンの焼き方

炭火を使う方法は、食通の間でも非常に人気の高い調理方法のひとつです。実際に、高級ステーキ店と呼ばれるお店では炭火を使うところも多いようです。

炭火料理のおいしさの秘密は、炭火が持つ遠赤外線効果だといわれています。多量の遠赤外線が肉の表面をコーティングすることで、肉のうまみが流出しにくくなるそうです。

ご家庭で炭火を使う場合、まず考えられるのはバーベキューでしょう。バーベキューコンロの火は強火で起こすのがおすすめです。火の強い部分にシャトーブリアンを置き、両面に焼き色をつけたら、火が弱い部分に移動させて休ませましょう。
高級肉をアウトドアでいただくのも、贅沢な楽しみ方ですね。

ホットプレートを使ったシャトーブリアンの焼き方

おうち時間の増加とともに注目が高まっているホットプレートは、みんなでシャトーブリアンを囲んで楽しむことができる点が大きな魅力です。

ホットプレートの最大の特長といえば、「温度管理が明確なこと」でしょう。温度設定を覚えるだけで、簡単にお好みの焼き加減に仕上げることが可能です。

焼き方は以下の通りです。
・ホットプレートを高温(200~250℃)に合わせて予熱する
・シャトーブリアンを置き、高温のまま片面を約30秒
・低温(100~130℃)にして約1分
・裏返して再度高温で約30秒
・低温で約1分約
その後、ふたをして目盛りを保温に合わせて休ませます。レアであれば1~2分、ミディアムレアであれば3~4分が目安です。

まとめ

牛肉の中でも最もおいしい部位といわれるシャトーブリアンは、ギフトでも多く選ばれる贈り物です。また、最近ではネット通販などでも比較的手軽に手に入るようになってきたため、自宅で楽しむ機会も増えてくるでしょう。
“幻”とも称されるシャトーブリアンが手に入った際には、今回紹介したポイントを参考にして楽しんでみてくださいね。

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