
クリーニング師が教えるお洗濯の基礎②:洗剤って何のために入れるの?
目次
家庭のお洗濯に悩みはつきもの。
洗濯もののにおいや、汚れ落ち、洗剤や柔軟剤選び・・・
でも、洗濯の基礎を理解していれば、そんなお悩みも解消するかもしれません。
この記事は、天然洗剤と水洗いにこだわった、肌にも環境にもやさしい宅配クリーニングone more(ワンモア)とケノコトとのコラボ企画による連載です。
何万着という服にむきあってきたクリーニングのプロが、「洗濯の基礎」についてお伝えします!
本連載の第1回では、汚れを落とすのに大事なのは、洗剤ではく水であることをお伝えしました。
▼第1回
汚れが水で落ちるなら、洗剤って必要なの?と疑問になりますよね。
今回は、洗剤の役割についてお話しします。
1. 汚れの大半は水で落ちる。それなら、洗剤は何のためのもの?
基礎編①では、汚れを落とすのに重要なのは、水であることを説明しました。では、なぜ洗濯をするときに洗剤を使う必要があるのでしょうか?
洗濯に使われている洗剤は、大きく石鹸と合成洗剤に分けられます。さらに合成洗剤の中でも、オシャレ着用洗剤や匂い対策用洗剤、無添加を謳っている洗剤など、種類・用途に合わせた洗剤が多く販売されています。
「何で洗剤は必要なのか?」を知るためには、まず「汚れとは何か」を理解する必要があります。
2. 汚れは大きく分けて3種類
私達クリーニング業界では、汚れを次の3種類に分類しています。
①水溶性の汚れ
汗や醤油、ワインなどの一般的に水に溶ける汚れのこと。また、血液の汚れも水溶性に分類されます。
②油溶性の汚れ
油に溶ける汚れで、マヨネーズや化粧品、油分が多い料理の食べこぼしなどがあります。なお、油溶性の汚れで一番落ちにくいとされているのが、エビチリの汚れです。エビチリは油も多く、色素があるので、落とすのがとても大変なことでクリーニング業界では有名です。
③不溶性の汚れ
名前の通り溶けない汚れで、泥・炭・埃・皮膚などがあります。溶けるというよりは、塊のまま繊維にこびりついているような汚れです。
3. 多くの汚れは酸化している
大きく3つに分けた汚れの中で、水溶性の汚れだけならば、水だけで落とすことができます。しかし、実際の汚れのほとんどは複数の汚れが混ざっています。
例えば、襟の汚れとして黄ばみがあります。この黄ばみには、かいた汗(水溶性)と、皮膚の油である皮脂(油溶性)、皮膚の垢(不溶性)が混ざっています。つまり、3つの汚れが混ざってしまっているため、水だけで落とすことができない状態なんです。
さらに、油分が入っている汚れは、時間が経過するほど酸化してしまいます。酸化すると汚れは硬くなっていくので、時間が経過するほど落としづらくなります。
このように多くの汚れは、油と水、不溶性の汚れが混ざって酸化している場合がほとんどで、水だけでは落とすことができないので、洗剤の力を借りる必要があるんです。
4. 洗剤の役割は、乳化とアルカリ化
時間が経過して酸化した汚れは、水の力だけでは落ちないからこそ、汚れを落とすために洗剤の力を利用しているわけです。そんな洗剤ですが、洗濯時に2つの役割を果たして、汚れを落とす手助けをしてくれています。
①乳化して、油を水に溶けるようにする役割
さまざまなものが混ざっている汚れですが、その中に含まれている油と水は、本来混ざりません。しかし、服についた汚れを水に落とすためには、油を水に混ぜ合わせる必要があります。
その、「本来混ざらない物を混ぜ合わせる力がある成分」のことを界面活性剤といい、いくつかの種類が存在しています。界面活性というのは成分の働きの名前で、それが起こす作用のことを乳化作用と呼びます。
例えばマヨネーズを作るときに、酢と油は普通に入れても混ざりませんが、卵を入れることによって卵に入っている界面活性成分が働き、酢と油が乳化して混ぜ合わせることができます。
②酸化した汚れを中和する役割
時間が経過して酸化した汚れは酸性ですので、洗う水がアルカリ性だと、中和されて汚れを落としやすくなります。そのため、酸化した汚れを落としたいならば、アルカリ性の洗剤を使用すると効果的です。
酸性のものにアルカリ性を加えて中性にするという、昔やった理科の実験と同じですね。
実は洗濯洗剤として石鹸はすごく評価が高いんです。なぜなら、石鹸自体がアルカリ性であり、かつ乳化作用、界面活性剤に入っている油を溶かす作用があるからです。はるか昔のローマ時代から洗濯時に重宝されてきました。
5. 石鹸は洗濯時に優れているのに、なぜ合成洗剤が開発された?
汚れ落ちには万能な石鹸にも、固形で使いづらい・石鹸カスが残る・洗濯槽にカビが生えるなどの問題がありました。その問題を解決するために合成洗剤の開発が進みました。そのため、昔からある洗剤は、基本的にほとんどがアルカリ性になっていました。
しかし、人の肌は酸性で出来ているため、体にアルカリ性が触れると刺激があります。そのため、合成洗剤が洗い流しきれずに衣類に残っていると、体には良くはありません。
最近は体に優しいイメージの方が売れるので、アルカリ性をおさえた中性の合成洗剤が多く出てきています。(ただし、体に優しいと謳いながら、ph調整剤という添加物を入れて、無理矢理アルカリ性を中性にしているものもあります)
前回の記事で紹介したようにすすぎ1回がブームですが、すすぎ1回でアルカリ性の洗剤が残ると身体によくないため、洗剤を中性にしています。中性洗剤が出てきたことで、洗剤が残留していても危険性が低くなりました。その結果、すすぎは1回でも大丈夫という節水ブームにつながっていったのです。
まとめ
洗剤の役割は、「複合して酸化した汚れを、界面活性で乳化して、酸化している汚れをアルカリ性で中和して落とす」ことです。
しかし、アルカリ性は人の肌に刺激のあるイメージなので、残留しても肌に刺激が少ない中性洗剤が多くなっている。ということをお話ししました。
ただし、安全性が高い中性洗剤は、汚れ落ちという点では、アルカリ性の合成洗剤に比べて弱くなるということを覚えておいてくださいね。
ここまで、お読み下さってありがとうございます。次回は柔軟剤の役割とすすぎの重要性を解説する「お洗濯の〆、すすぎと柔軟剤の話」について書きたいと思います。ぜひお洗濯の参考にされてください。
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宅配クリーニングone more(ワンモア)について
one moreは、青森県弘前市のクリーニング屋さんが開発した、人の肌にも環境にも優しい水洗いクリーニングです。地元の弘前市では服がふわふわになる仕上がりと、新品のような汚れ落ちの実績が評判となり、5,000着の実績を重ねています。このクリーニングを全国の方に利用していただくため、オンライン注文と宅配による遠隔のクリーニングサービスを開始しました。
一着一着丁寧に向き合い、大事にクリーニングするので、「服がよみがえったみたい」な仕上がりになります。
one moreのクリーニングのこだわりは、ウェブサイトからぜひ覗いてみてください。
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