
クリーニング師が教えるお洗濯の基礎③:お洗濯の〆、すすぎと柔軟剤の話
目次
家庭のお洗濯に悩みはつきもの。
洗濯もののにおいや、汚れ落ち、洗剤や柔軟剤選び・・・
でも、洗濯の基礎を理解していれば、そんなお悩みも解消するかもしれません。
この記事は、天然洗剤と水洗いにこだわった、肌にも環境にもやさしい宅配クリーニングone more(ワンモア)とケノコトとのコラボ企画による連載です。
何万着という服にむきあってきたクリーニングのプロが、「洗濯の基礎」についてお伝えします!
本連載の第1回では、汚れを落とすのに大事な「水」について、
第2回では洗剤の役割についてお話ししました。
▼第1回
▼第2回
今回はお洗濯のしめ、「すすぎ」についてお伝えします。
洗濯は「洗う」と「濯ぐ」。とっても大切なすすぎの役割
洗濯というと、ついつい、洗剤はどれがいい?洗濯機は?と洗い方ばかりに目がいってしまいますが、実はすすぎも同じくらい大切なんです。
すすぎの役割とは、衣服についた洗剤を落すだけでなく、汚れを落す役割もあります。
え?汚れは「洗い」で落とすんじゃないですか?と思われる方もいるかもしれませんね。
でも、食器を洗う時、よく濯がないと汚れも洗剤も落ちずにいつまでもヌメヌメしますよね。
洗濯もそれと同じで、「洗い」で浮いてきた汚れを「濯ぎ」で洗い流すことで、洋服がキレイになります。逆に濯ぎが不十分だと、せっかく浮いた汚れがまた服に付着する「再汚染」を起こしてしまいます。
すすぎ1回は本当に経済的・・・?
しかし、最近は節水ブームで、従来のようなすすぎ2回ではなく、すすぎ1回の洗剤が人気です。
しかし、すすぎ1回にすることは本当に経済的なのでしょうか?
東京電力のホームページでは、1回すすぎは2回すすぎよりも年間5,000円ほどの節約になると書かれています。洗濯1回あたりの水道代を計算すると、すすぎ2回は約40円、すすぎ1回は約26円と記載されています。その差は15円くらいしかありません。
1回あたり15円の水道代で、よごれも洗剤もしっかり落ちて、服もキレイに長持ちするなら、すすぎ2回のほうが結局経済的と言えるかもしれません。
柔軟剤はすすぎの2回目に入れるのがベスト!メーカーも推奨。
すすぎの際に入れる柔軟剤の話をします。
柔軟剤メーカーは、「すすぎ2回目で柔軟剤を入れること」を推奨しています。洗剤メーカーや洗濯機メーカーはすすぎ1回を推奨しながら、柔軟剤はすすぎ2回目というのは矛盾していますね。
また、4人に1人は洗剤と柔軟剤を一緒に洗濯機にいれているというデータもありますが、これは間違っています。一般的な柔軟剤は、すすぎの2回目に入れるのがベストです。
ではなぜ、すすぎ2回目のタイミングがいいのでしょうか?
一般的な柔軟剤はシリコンが含まれていて、服の上にシリコンを乗せることで柔らかく感じるようになっています。繊維自体を柔らかくしているわけではありません。
柔軟剤は、衣類の上に残ることで、やわらかな手触りがうまれます。洗剤と一緒に柔軟剤を入れてしまうと、柔軟剤ごと洗い流されてしまうので、あまり意味がないのです。むしろ、汚れの上からシリコンでコーティングなんてことも、、、
すすぎで衣類から汚れを離してから、柔軟剤の成分を服につけるという工程が望ましいので、柔軟剤はすすぎ2回目で入れるのがベストということになります。
ちなみに、オシャレ着洗剤は、柔軟剤と洗剤が合わさってできているもので、洗剤と柔軟剤を一緒に入れるのと同じことです。柔軟剤に含まれるシリコンが、衣類の縮みを防いでくれるというメリットがあります。ただ、前述のとおり、柔軟剤の成分も洗い流されるので、洗濯物を柔らかく仕上げるという目的には合致しません。
そもそも柔軟剤はなぜ必要?
洗剤と柔軟剤は、シャンプーとリンスの関係に似ています。
シャンプーで洗った後の髪は、シャンプーの洗浄成分が髪の油を取り過ぎてしまうので、硬くなります。そこで適度なつやや柔らかさを補うために、リンスをつけますよね。
これを洗濯に置き換えると、洗剤で洗うことでごわごわになった洗濯物を、柔軟剤のシリコンを乗せることで柔らかく仕上げていることになります。
一般的に家庭の洗濯でよく使われている合成洗剤には、ポリオキ(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)という洗浄成分が使われています。しかし、ポリオキは洗浄作用が強すぎて、服がごわごわになってしまうので、柔軟剤を使う人が多いのです。
それなら、ちょうどよく油を取ればいいじゃないかと思いませんか?
実は、「ちょうどよい汚れ落ち」を実現できるのが、昔からある「石鹸」です。
石鹸や重曹で洗えば服がごわごわにならないので、柔軟剤がなくても大丈夫。石鹸は、うまく使えば、汚れ落ちも、柔らかさも実現できる洗剤なんです。
石鹸と合成洗剤の定義とは?
石鹸の歴史は古く、ローマ時代くらいから作られています。石鹸は、油にアルカリ成分を入れることで作られます。油にアルカリを加えることを鹸化(けんか)と呼び、鹸化によってつくられるのが石鹸です。
牛乳石鹼は牛乳の油に水酸化ナトリウムなどのアルカリを入れることで作られますし、それがオリーブ油だとオリーブ石鹸になります。液体石鹸も、基本的には固形の石鹸と同じ製法でできています。
一方、合成洗剤はもっと複雑な作りをしています。石油を、洗浄成分と合成することで作られます。この合成する成分としてよく用いられるのが、前述の「ポリオキ」です。ポリオキは、経済産業省が定める環境負荷が高い成分に指定されており、人の肌にも害がある成分ですが、「洗剤に含まれる程度なら、致死量に達しないから大丈夫」というのが、今の工業界の見解です。
合成洗剤を使うことで、直ちに害があるというわけではありませんが、家庭で洗濯をした服を着て肌がかゆくなったりする方は、洗剤を見直してみてもいいかもしれません。
まとめ
洗濯は、洗いとすすぎがセットになって、はじめて服がきれいになります。
節水ブームですすぎ1回がPRされていますが、すすぎ1回は決して大きな経済効果があるとは言えません。また、柔軟剤を入れるのも、すすぎ2回目が推奨されています。すすぎ1回で柔軟剤を入れてしまうと、汚れを落としたいのか、服に残しておきたいのか分からなくなってしまいます。ぜひ、今日からすすぎ2回でお洗濯してくださいね。
ここまで、お読み下さってありがとうございます。お洗濯の基礎編は今回でおしまい。次回からは、洗剤の選び方や、汚れ別の対処法など、実践的な内容をお伝えします。お楽しみに!!
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また、お家で洗いづらいダウンやコート、「もう落ちないかも・・・」とあきらめていたお洋服などは、ぜひ一度クリーニングをご相談してみてください。
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https://onemoreclean.official.ec/
宅配クリーニングone more(ワンモア)について
one moreは、青森県弘前市のクリーニング屋さんが開発した、人の肌にも環境にも優しい水洗いクリーニングです。地元の弘前市では服がふわふわになる仕上がりと、新品のような汚れ落ちの実績が評判となり、5,000着の実績を重ねています。このクリーニングを全国の方に利用していただくため、オンライン注文と宅配による遠隔のクリーニングサービスを開始しました。
一着一着丁寧に向き合い、大事にクリーニングするので、「服がよみがえったみたい」な仕上がりになります。
one moreのクリーニングのこだわりは、ウェブサイトからぜひ覗いてみてください。
▼宅配クリーニングone more(ワンモア)公式ウェブサイト
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