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取材 2016.02.02

暮らしの話~「ありのまま」の瞬間を切り撮る 影山奈々恵さん~

人によって価値観や人生観などは様々。

色んな人の話を知ることで、新しい価値観に触れたり、共感できる何かを見つけたり。人生がより豊かになるお手伝いができたら嬉しいです。

今回は影山奈々恵さんの話。

どんなに苦手な食べ物も、たとえイケてない味だったとしても、自分の目の前に出されたものは残さず食べる

これは私の食べ物に対してのこだわり。
赤ちゃんの頃、ミルクをがっついて飲んで半分死にかけたぐらい食べることが大好き!
だけれども、小学生の頃はよく給食を残したものだ。
あるとき、授業で世界には食べ物を十分に食べられない人がいるというのを知り、食材のいのちをいただくのと同時に、残したら食べたくても食べられない人たちに失礼だ!と思いました。
それから給食は毎日完食。飲み会や人が集まる場での大皿に盛られたものも出来る限り残さないように頑張ります。

その軸だけはずっとブレない。
これからも。

そんな想いをもっていたけど将来の夢は保育士でした。

ねぇちゃん、夢叶ったね!

ただ、所詮子どもの頃の夢、叶うはずなどないと思っていました。

保育士になりたかった理由も
・子どもがすき
・ピアノを習っている
・学校を出るだけで資格が得られるから
という、単純かつ保育士の仕事を完全になめていました。

そのため、高校を卒業してからの進路についてじっくり考えました。
そして、管理栄養士になろうと決めました。

・食べることが大大大好きだから(食について深く学ぼうと思った)
・社員食堂で働いて、メタボを減らそうと思ったから
・同じ4年間を送るなら栄養士よりすごい管理栄養士にしよう
じっくり考えた割には、またしても単純な理由で小さい頃からなろうと思っていた保育士をアッサリと切り捨て、管理栄養士の受験資格が得られる大学へ進学。
資格はたくさん取れた方がいいと思い、フードスペシャリストと栄養教諭も取れる大学を選びました。

大学で学んでいく中で、「栄養のことも大切だけど、食べ物の大切さをメインに伝えたい」と強く思うようになりました。その想いは、大人ではなくこれから大人になる子どもたちに、食べ物の大切さや背景、いつまでも健康でいるための食事について伝えていこうということに繋がり、教員採用試験を受験。しかし結果は不合格。

卒業後はとある飲食店に総合職として就職。
その会社は生産者を大切にしている会社で、自分が4年間学んだことを活かせれば、資格職じゃなくてもいいかなと思い入社しました。

しかし、心身のバランスを崩したのと、やりたいことがいろいろ増えてきて、わずか5か月で退職。

親の反対を押し切っての就職だったので、親に相談することも、報告することもできず、1か月間ニートとフリーター生活をし、月末に大学の先生からの紹介で保育園に再就職することが決まりました。

そのときに初めて親に仕事を辞めたこと、保育園に再就職が決まったことを報告すると、母はあまりの変化にあっけらかん。
その場に居合わせた弟からは「ねぇちゃん、夢叶ったね!よかったね!」と言われました。

その時になって、保育士になりたかったことを思い出し、保育士ではないけれども、少し遠回りはしたけれども、夢が初めて叶ったと実感しました。

これからの自分を創るきっかけとなった海外旅行

保育園で働きつつも、休日は趣味のカメラに没頭。

カメラに興味を持ったのは初めて行った海外旅行がきっかけ。
初海外はドイツでした。
見るもの、触れるもの、食べるもの、聞くもの、感じるものの全てが新鮮で感動したのは今でも忘れません。
中学・高校の頃は、英語の授業が大嫌いで「日本から一生出ない!」と宣言していた私は帰国して、半年後にフランスに行く計画を立てるほど海外に魅了されていました。
ドイツでの感動、想い出はすべてデジカメ。
もっといい写真を撮りたい!と思った私は大学のクラスで一眼を持っている友達に一眼レフを買うかミラーレス一眼を買うかを相談。
そして、フランス旅行1か月前に悩みに悩んだ結果、ミラーレス一眼を購入しました。

海外旅行を通して、ますます食について興味が湧きました。
海外の食材や食事もいいけれど、日本にもたくさんいいものがある。なのに日本の食料自給率は40%を切っている。なんでだろう。もっと日本の人たちに日本の食材や食事の素晴らしさについて知ってもらいたい!と強く想っていたところ、『食未来リンク』という食をテーマに“「知らない」から「知っている」へ”生産者と消費者を繋ぐ架け橋となる団体のメンバー募集の案内が友人を通して、Facebookできました。
すぐさま参加ボタンをクリック。
食未来リンクの描く未来のことにものすごく共感し、自分も一緒になって活動をしてきました。

そこでは管理栄養士としてではなく、カメラマンとしてイベントの撮影に参画。
なぜか?
メンバーの中には料理家として活動してる人が多いため、自信がなかったからです。また、人に振る舞えるほど、料理の腕があるわけではないということも自覚していました。
なので、「撮影」という別のジャンルでこの団体に参画していこうと決めました。

「ありのまま」の瞬間を切り撮る

イベントでの撮影はものすごく楽しかったです。
なぜなら、「自由」に撮れるから。
誰に言われたわけでもなく、撮りたいから撮る。
ただ、その写真は目線がカメラに向いていないものが多いのです。

今だから言えるけど、私、人を撮るのすごく苦手なんです。
その当時、私の撮る写真は風景や建物、植物、食べ物ばかり。
今でこそ、たくさんの人を撮らせていただいていますが、人はほとんど撮りませんでした。
真正面でピースしている写真より、横顔や何気ない時の表情や仕草をしている瞬間を切り撮るのが好き。
好きなことをやっている人はとても美しい。キラキラしています。
ばっちりカメラ目線の写真もいいけど、ふとした表情や何かに夢中になっている姿、楽しそうな姿は素敵です。
私は写真を撮る上で大切にしていることは
・「ありのまま」の瞬間を切り撮ること
・今あるものの美しさ、懐かしさ、あたたかさを大切にすること

あたりまえ、ありのままの姿にちょっと目を向けてみる。
そう、思えるようになったのもカメラのお陰です。
カメラを買うきっかけになった海外旅行に行ってから小さな変化や小さな幸せに気付くことが多くなりました。

本当の自分を偽って生きてきた23年間

よく周りからは「行動力あるよね!」、「ポジティブだよね!」って言われます。
昔から好奇心旺盛な私は誘われたら基本断らず、いろいろなところに赴きます。また、話すことも好きなのでよく喋ります。
そのため、いろいろな人に会い、いろいろな情報が入ってきて常に頭がパンパン状態。
私は自分の軸が全くなく、多くの情報に翻弄されきました。また、自分に自信がなく、マイナス思考です。
周りから見える自分と本当の自分を偽って生きてきました。
そんな自分から抜け出したくて、変わりたかった。でも、変われず23年間生きてきました。

昔、ある人に「自分のものさしで計るな」と言われてからずっと自分に劣等感を抱いていました。
常に誰かと自分を比較して、自分に「×」をたくさんつけていたのです。
でも、ある人との出会いによってその認識が大きく変化しました。

できるとか、できないとか、優れてる、優れてないって何基準?
自分は自分。
変な基準は自分の認識によってつくられる。
優劣つけてしまうのは脳の仕組みによるもの。
それらを学んだことで、初めて自分を受け入れることができました。

それからというものの自分に「○」をあげることが増えてきて、『自分主体の人生を生きているな』
と実感することができました。
本当と嘘もなく、生きている実感があります。
ようやく自分の軸ができたように感じます。
心の状態がいつも安定してるわけではありません。
上がったり、下がったりで相変わらず落ち着きはありませんが、前と変わったのは嫌なネガティブじゃないということ。

すると、写真にも、反映されてきました。
「ななの写真いいよね」
「ななの写真好きだなぁ~」
といった声をたくさんいただくようになりました。

人の写真を撮る人、食べ物の写真を撮る人、風景の写真を撮る人さまざまいます。
それで生活している人、趣味の人、さまざまです。
それでいいと思います。

私はわたし。
私が大切にしてる「ありのまま」の瞬間をこれからも撮り続けます。
そして、カメラを始めるきっかけとなった「旅」と大好きな「食」に触れ、もっともっと軽やかに自分の人生を生きていきたいと心から思います。

文/ケノコト編集部 写真提供/影山奈々恵

プロフィール

食未来リンク 副代表
影山奈々恵
管理栄養士×フォトグラファーとして幅広く活動。
保育園で活きた食育や給食・おやつを通して「なんでも食べる子ども」を育んでいるだけでなく、生産者と消費者の架け橋となる食未来リンクの副代表を務め、様々な食に関わることや音楽家による演奏会にて、「ありのまま」や「日常」の大切にし、その瞬間を切り撮る。

影山奈々恵Facebookページ
食未来リンクFacebookページ

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